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初年で10万人動員。バブルラン発起人が語るスポーツイベントの裏側

スポーツビジネスで活躍するための最速講座として、2010年からスタートした「MARS CAMP(MARSキャンプ)」は現在、第17期目を迎えています。2019年1月17日(木)の社会人コースでは「価値創造!新たなスポーツイベントのカタチ」をテーマに、約2時間の講義が行なわれました。

2015年に日本で初開催されたランイベント「バブルラン」は、初年で計10万人を集客し、メディアで大きな話題を呼びました。その主催である株式会社スポーツワンで、バブルランの“仕掛け人”として活躍した松尾佑樹氏が、知られざるスポーツイベントの裏側を明かしました。

“最高の仲良しごっこ”でどこまでビジネスが成功するのか

松尾氏は、学習院大学在学中の2001年からスポーツワンで働き始め、数多くのアマチュア向けスポーツイベントを立ち上げた。

そして現在も、自身が代表取締役を務める株式会社BOOSTでスポーツイベントの企画・制作・運営に従事している。 「運動会」「スポーツイベント 企画」といった検索ワードでヒットして仕事が生まれることが多いという。

松尾氏は前職のスポーツワンでイベントに携わっている中で、社長に良く「仲良しごっこをしているんじゃないか」と言われていたという。しかし、松尾氏にはイベントを通じて「最高の仲良しごっこがしたい」と語っており、自身がトップに立ってその信念を貫くために、BOOSTを起業した。仲間と仲良く、楽しく仕事をした結果、お金をかけた以上の成果物が戻ってきて、また次の仕事につながる。これが人と仕事をすることの良さであり、松尾さんが最も大事にしている要素だ。

スポーツイベントのビジネスモデルに関しては、設備費・会場費をできるだけ低く抑えることで原価を下げ、スポンサーの出資や参加費で売り上げを出している。スポーツワン時代は参加費だけで成立していたこともあったものの、現在はスポンサーの出資が占める割合が多い案件も増えてきているとのことだ。

B to Cのイベントの作り方

B to Cのイベントのポイントとなるのは、いかに設備費・会場費をディレクションしていくか。設備や会場を提供する側との良好な関係を構築するために、松尾氏は「ただ利益を削るのではなく、相手のことを考えて話をすることは誰よりも大事にしている」と自負している。

松尾氏はスポーツワン時代に多くのフットサル大会を手がけてきた。フットサル大会を開催するには、利益率を上げるために多くのチームに参加してもらう必要があるが、そのために大規模な会場の確保もしなければならない。

スポーツワンでは、大規模ながら会場費がそこまで高くない「味の素スタジアム」を候補地として上げていたが、そのような好条件であれば、当然ながらライバルがいる。

そこで味の素スタジアムとスポンサー契約を結び、スタジアムバナーに対して年間の契約料を支払うことで、年5日ほどの日程を抑える権利を手にした。また、大阪で多くのフットサル場とサッカー場を保有しているJ-GREEN堺とスポンサー契約を結んでいる。

スポーツワンではフットサル以外にも多くの競技の大会を開催し、売り上げも伸ばしていた。しかし、フットサルブームの停滞などの様々な要因が重なり、ある時に売り上げが横ばいになってしまったとのことだ。

松尾佑樹氏

[初年度で10万人を動員した海外発のランイベント]()その中で新規事業として、海外で人気を得ているバブルランに挑戦することになった。社長との相談の結果、当初は2000人の動員を想定していたものの、Twitterをメインにプロモーションを行なったところ、予想外のサーバーダウンが起こった。というのも想定の5倍におよぶ1万人の応募が一晩で殺到し、当初予備日として押さえていた会場日程を、追加日程として使用するほどの反響が寄せられる結果に。

その後は東京・名古屋・大阪の3カ所でバブルランを開催した結果、初年で計10万人を集客し、メディアで大きな話題を呼んだ。2年目には「ウォーリーラン」や「ゾンビラン」などの派生イベントも作り出し、現在もスポーツワンは様々なランイベントを企画している。

成功の要因には、ターゲット層を絞ったプロモーションがあり、20代前後の女性をターゲットにSNSで地道なアクションを続け、多くのフォロワーを保持する「ファッションプレス」での告知も展開した。結果的に参加者の95%が女性で、その平均年齢は23歳というスポーツイベントとしては異例の状態となっている。

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