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丸の内15丁目発起人・高田晋作が見据える、“にわかファン”との今後[PR]

対話を通じてラグビーを“自分事化”

「丸の内15丁目」は実在しない仮想の街ではありますが、住民登録制度を設けたり、イベントごとにリアルの映画館や美術館をオープンさせたりと実際に“街”を体験できるように工夫をしていました。そんな中、街なら住民の方達が毎日来られる場所があったらいいよね、とのコンセプトでできたのが「kominkan」です。

ラグビーW杯期間中に開かれていたKOMIKANには多くの人が足を運んだ

もともとは「kominkan」のある場所がW杯開幕前の5月から閉幕まで空いているという情報を社内から得て、何も決めていないけど場所を押さえたのが始まりです。過去のW杯の映像を流すだけの場にもできたのですが、どうしても人と人が交流する場にしたかった。「誰でも気軽に立ち寄れて誰かと喋って帰れる場所」と考えたときに浮かんだのが、街には必ずある“公民館”でした。これが名前に繋がっています。

W杯などを観戦するイベントは興味醸成には効果的ですが、どうしても一過性のブームになりがちです。「kominkan」でもう一歩踏み込んだイベントに参加し、ラグビーを自分事として捉える人が増えてほしい。そんな想いもあって株式会社Future Sessionsに依頼して「ノーサイド・ダイアログ」を主催してもらうことになりました。

何度もいろんな人が一か所に集い「ラグビー×○○」というテーマでラグビーの可能性について語り、ヒントを得て帰っていくことには大きな意義があると感じています。例えば今回の取材前に開催された「ラグビー×健康」の回では小泉将選手(NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス)が、「試合会場でビールを楽しむ“不健康”のために、日常を健康的にする」というヒントを得たと終わりに語っていましたよね。まさに狙いどおりだなと。「kominkan」で得たヒントを基にボトムアップ的に1つでも2つでも形になっていくものがあれば大勝利だなと思っています。

今日(2019年11月8日)をもって「kominkan」は閉まります。ですが、ラグビーの可能性を探るために引き続き場所を変えて「ノーサイド・ダイアログ」は実施していく予定です。そのための場所はもちろん、提供します。

次の課題は“にわかファン”の場所作り

「丸の内15丁目プロジェクト」の成功とW杯の成功は一体だと考えてやってきました。ラグビー人気を助長するのに街を活用してできることは何か、「にわかファン」にも喜んでもらえるコンテンツは何かなど、ラグビーを楽しむ素地をつくることに専念していたんです。W杯が盛り上がったら、この街にも熱狂や興奮が生まれ、街の価値が高まる。そのような効果として返ってくるものが必ずあるだろうと。

その点については「にわかファン」が流行語大賞にノミネートされるほどにラグビーブームとなった今、大成功だったと捉えています。社内でも私が何かしたわけではないのに「おめでとう」「よかったね」と声を掛けてもらうことが多くて。嬉しい反面、W杯が終わってしまった寂しさをひしひしと感じています(笑)。

私が現役だった頃から今まで、こんなにラグビーに日本中の関心が集まっていたことはないと思います。だからこそ、この機会をちゃんとものにしたいですね。私たちの次の役割は、にわかファンの行き場をつくることだと思っています。

日本ラグビーフットボール協会とも話をしていますが、まだ関心を持続させるための明確な答えは出ていません。全員が強い想いを持ってはいるのですが、いかに形にするのかの解は見えていません。ただそんなに悠長なことは言っていられませんよね。トップリーグ開幕までの間に何もやらないと、急速にしぼんでしまいます。

個人的には「トップリーグ開幕までの2ヵ月は、日本中をグラウンドにします!」ぐらいの大きくてインパクトのあることをやりたいです(笑)。

場所の提供やコンセプトの入れ込みは私たちがやるので、あらゆる方とスクラムを組んで1つでも2つでもファンがラグビーに触れられる場、日本代表を思い出せる場をつくっていければと。

12月11日に丸の内仲通りで開催される日本代表選手のパレード(ラグビー日本代表ONE TEAMパレード ~たくさんのBRAVEをありがとう~)も、その大きなひとつです。

長期的なビジョンは一旦置いておいて、できることから取り掛かるスピード感が今は大切なのではないでしょうか。

また、いちファンの視点から話すとW杯における外国人サポーターの楽しみ方がトップリーグにも残るといいなと思っているんです。試合会場でラグビーを見て楽しむだけでなく、ビールを片手に談笑し雰囲気を味わい尽くす。世界の楽しみ方と現状のラグビー人気が相まって、これからの日本ラグビー界がもっと盛り上がると嬉しいですね。

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