
音楽のチカラが示す、トップリーグ活性化のためのヒント[PR]
トップリーグを盛り上げる音楽の検討
田中さんのトークライブが終了すると、「音楽×ラグビーであなたは何がやりたい?」をお題に3人1組で話し合う時間が設けられた。テーマが音楽ということもあり、歌を口ずさむチームがあるなど会場は大盛り上がり。ラグビーファン歴や立場の異なるメンバー同士の意見交換は、ユニークな着想を得て、それを具体的なアイデアに昇華させる契機となったようだ。
その後、参加者全体でアイデアを共有するためのワークショップが設けられた。ワークショップでは参加者が入れ替わりながら対話を続けることでテーマを深掘りする「フィッシュボウル(※)」の手法を採り、「音楽×ラグビーでどんなことができるか」をテーマにおよそ30分間意見が交わされた。
※フィッシュボウル:内側の円が対話をする人々、外側の円は対話を聴く人々。内側には一つ空席が用意されている。外側の人は対話に参加したくなったらその席に座り、代わりに内側の一人が外側へ入って対話を進める。
参加者のアイデアで「Stand up for the Japanese」を歌唱してフィッシュボウルがキックオフ。田中さんが「(日本対南アフリカ戦の時、観戦していたアイルランドファンが)これを歌ってくれたのは本当に嬉しかった」これを歌ってくれたのは本当に嬉しかった」と口火を切ると、「日本に負けた直後に会場近くのコンビニ前でも歌って応援してくれた」「日本対南アフリカを観戦していたアイルランドサポーターは、日本がピンチなときにゴール裏で歌ってくれていた」との声が相次いだ。
そこから、「トップリーグでも盛り上がるために、何かオリジナルソングがあるといいのでは」とのアイデアが。「W杯ではカラオケタイムが盛り上がったから、オリジナルじゃなくて誰もが口ずさめる曲にしたらどうか」「その曲を公募したらより盛り上がりそう!」と話が発展していく。それに対し、トップリーグを盛り上げるために奔走中の田中さんが「やります!やりましょう!」と力強く返答した。
誰ものノリやすい音楽がラグビー人気継続の鍵
参加していた小泉将選手(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)から「選手目線で言えば、トップリーグの観戦中ももっと賑やかになると嬉しい。声援でもブーイングでも歌でもいい。後半までわーっと気持ちを盛り立ててくれるような空気感を生み出してもらえれば」との発言があると、参加者からは「今シーズン中に全チームがチーム歌をつくったらどうか」との声が上がった。小泉選手は「実はチーム歌を持っているのだが、既存のは歌いにくいので、制作するのもファンと一緒にやっていきたい」と応じた。
にわかファンからの「何をどのタイミングで歌ったらいいのかわからないから、旗振り役がほしい」との発言に対しては、オールドファンから「誰かが突然歌いだして広がっていく感じになると思うから、歌詞がわからなくても雰囲気にのるところから始めると楽しく観戦できるはず」とのアドバイスがあった。
具体的な曲名が上がったり、アフターマッチファンクションなどのイベント案が出たりと話が尽きず30分のワークショップはあっという間に終了。最後に全員で「ビクトリーロード」の大合唱をしてイベントは幕を閉じた。
曲を知っているといないとに関わらず、動画や雰囲気に合わせて全員が歌って盛り上がった今回のノーサイドダイアログ。筆者がこれまでに取材してきたどの回よりも参加者の距離が縮まるのが早く、笑顔も溢れていたように見受けられた。
試合会場でメジャーな曲を流したり、誰もがノリやすい応援歌を制作したりするなど、音楽を上手く取り入れることができれば、間違いなくラグビートップリーグはJリーグ、セ・パ両リーグに並ぶ人気になることであろう。今シーズンのトップリーグは、勝敗だけではなく各試合会場・チームの音楽活用方法にも注目してみてはいかがだろうか。
Follow @ssn_supersports