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キリンとサッカー日本代表、40年の絆。「支援」ではなく「応援」だ!

<2019年11月19日 キリンチャレンジカップ2019 ベネズエラ代表戦 先発メンバー ©JFA>

「スポンサーシップ」という言葉を昨今、よく耳にします。しかし、その概念がメジャーになるはるか昔、1978年から現在に至るまで、キリングループはサッカー日本代表のオフィシャルパートナーとして共に歩み続けています。日本の数あるスポーツスポンサーシップの中でも、最も長期に渡るものといえるかもしれません。いまや誰もが知るキリンとサッカー日本代表の関係性。その歴史、そしてキリンが日本サッカーを“応援”する理由とは。キリンホールディングス株式会社・ブランド戦略部主査である泉伸也(いずみ・しんや)氏に伺いました。

(取材日:2020年5月12日 聞き手:竹中玲央奈)

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キリンが「支援」ではなく「応援」と言う理由

私は2017年より、キリンホールディングスのブランド戦略部に所属しています。企業ブランディング、つまりキリンの企業好意度を高めていくことが部の役割であり、私はサッカー日本代表という大きな資産を活用し、1人でも多くのサッカーファンから共感を獲得し、キリンファンになっていただくことを目指して活動しています。

キリンが日本代表のスポンサーを始めたのは、1978年。40年以上前になります。当時キリンビールの本社が原宿あり、山手線を挟んで向かい側にある岸記念体育会館の中に日本サッカー協会がありました。1978年のある日、ご近所の挨拶として、当時専務理事であった故長沼健さんがいらっしゃったそうです。

当時、サッカーは今のようにメジャーなスポーツではなく、冬の時代だったこともあり、「なかなかサポートしてくれるところがない」と聞き、キリンとしても社会貢献活動を模索していたので「日本サッカーを応援しよう」と決意し、この関係性がスタートしました。近所の縁から、40年以上続いています。

今ではこの取り組みを、私たちは“支援”ではなく“応援”と言っています。言い方を変えれば“支援”だし“スポンサード”かもしれません。でも、私たちは「サッカーを通じて人を応援する」という考えのもと、各活動を展開しています。サッカー日本代表だけでなく、ファン・サポーターをも応援することが大事だと思っています。

サッカーが生み出す高揚感、一体感、ワクワク感を分かち合える場所を、キリンが日本中で作り出すことで人や社会を元気にする、それこそがキリンのサッカー応援活動の存在意義であり、ブランドパーパスとしています。

キリンのコーポレートスローガン「よろこびがつなぐ世界へ」は、まさにサッカー日本代表そのものです。

43年で変化した応援のカタチ

応援し始めて今年で43年目ですが、この間に4つのフェーズで進化してきました。最初は、社会貢献として、1978年の5月に行なったジャパンカップへの協賛からスタートしました。第2フェーズはそこからしばらく経ってからで、2000年前後になります。

1970年〜1980年代にサッカー日本代表のブームはほとんどなかったのですが、93年のJリーグ開幕、98年にフランスで開催された世界の大舞台への初出場を経て、サッカー人気は爆発的に膨らみました。応援を開始して約20年、その頃からサッカーと言えばキリンと感じていただけるようになりました。それを機に社会貢献からスポーツマーケティングに切り替えていきました。サッカー日本代表の権利を活用したデザイン商品の発売や、キャンペーンなど販促プロモーションを展開していきました。

代表的なものは、2002年に実施した110万人に当たる「勝ちT」キャンペーンです。サッカー日本代表の盛り上げムードを作るために、「キリン製品を購入したら複数パターンあるオリジナルの青いTシャツが当たる」というもの。「応援する人を応援する」という、キリンとしての思いが込められたものです。

3つ目のフェーズが、“サステナビリティ”です。日本代表が連続して世界の大舞台に立つようになり、「サッカー選手になりたい」という子どもが増えてきました。日本代表のさらなる強化のためにも次世代の育成は欠かせないもの。そういった次世代の子どもたちの育成へのアプローチとして、47都道府県でサッカー教室などを展開し、日本サッカー協会とともにサッカーのすそ野拡大に注力してきました。

現在は、第4フェーズになり、“CSV”活動と位置付けて展開しています。社会貢献という意味のCSRではなく、“Creating Shared Value”、価値の共創です。サッカー応援を通じて、社会的価値と経済的価値を創出することを目指しています。

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