最高の一瞬『マリア・シャラポワ(テニス)』

テニス界でも屈指の美人プレーヤーとして知られるマリア・シャラポワ(ロシア)。史上10人目の生涯グランドスラム(※)達成者であり、かつファッションモデルとしても活躍するのですから、天は二物を与えるものですね。

この写真は2006年全米オープン優勝時の記者会見です。英語のインタビューが終わり、今度はロシア語のインタビューがスタート。母国のメディアにおめでとうと声をかけられた瞬間、マリアがうれしそうな顔をしたのが今でも忘れられません。英語のインタビュー時とは違う、心底ホッとしたような喜びを見せてくれました。ロシアで生まれ、テニスのために幼少時、米国へ移住して今も同国で暮らす彼女。当時、国籍問題でいろいろいわれていましたが、母国への思いを感じる一瞬でした。

エピソード的にはこれだけなのですが、もう1枚、マリアの写真をピックアップさせてください。2014年の全仏オープン優勝時のものです。フランス・パリのシャイヨ宮前トロカデロ広場で、優勝者のフォトセッションが開かれました。

グランドスラムではウィンブルドン以外の3大会で、優勝者を市内の名所で撮影するならわしがあります。市がトーナメントのスポンサーの一つであり、その契約から撮影がルール化されているようです。

特に、女子はドレスアップしてやってくることが多いのでとても興味深いのですが、さすがマリア。今までの優勝者の中でも一番決まっていたので、会場はめちゃめちゃ盛り上がりました。撮影するというよりも「マリアに撮らされている」といった感じで、終始彼女のペース。ポーズもバリエーション豊かに決めてくれました。

しかも、有名観光地なので世界中からの観光客がいっぱい。一応ロープで規制はしてあるのですが、現役選手では最も有名なMariaとあって広場は阿鼻叫喚(あびきょうかん)。でも、なぜかみんな喜んでいるんですよ。ほほえましいひと時でした。

※全豪オープン優勝2008年、全仏オープン優勝2012年、2014年、全英オープン優勝2004年、全米オープン優勝2006年

笑顔の写真をもう一枚。

2019年ウィンブルドン女子シングルで初優勝を飾った、ルーマニアのシモナ・ハレプです。決勝ではセリーナ・ウィリアムズに2−0の完勝。現在、女子テニス界は混とんとした状況が続いており、ハレプにとってもチャンスの時代です。どうしても欲しかったタイトル、この笑顔を見て分かりますよね!

▼真野博正(まの・ひろまさ)

1959年、島根県で生まれて山口県で育った。大学卒業後、大手出版社のカメラ専門誌を経てスポーツフォトグラファーに転身。テニスやサッカーなど各スポーツ界で活躍。特に、テニスの分野では第一人者であり、4大大会の撮影実績は28年にわたる。

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