THINK SPORTS『42.195キロの先にあるもの』

限界への挑戦。時に努力を表すフレーズとして使われるが、スポーツでいえば最たる例がマラソンだろう。

42.195キロという聞くだけでため息が出そうな距離に、なぜスポーツ選手のみならず一般人までが挑戦するのか。皇居(東京都)の周りを走るランナーに聞いてみた。

「自分自身を変えるため。無理かもしれない目標を達成すれば、大きな自信がつくから」

成功体験による自己の成長促進のために、マラソンへトライしているというのは25歳の女性。最初はダイエットが目的だったというが、いつしか走ることへの魔力にとりつかれたそうだ。

「友達が走る姿がカッコよかった」(33歳・男性)、「夫と一緒に走るため」(45歳・女性)などきっかけはさまざまだが、最後は自分への挑戦という目的が大半を占めた一方で、次のような意見も面白い。

「何げなく始めたジョギングですが、同年代が多いんです。そこで知り合った仲間と同じ大会にエントリーしたり、ランナー同士の飲み会もしますね」(62歳・男性)

一人では苦しいマラソンも、誰かと一緒なら達成に向けて頑張ることができる。短い距離や時間制で楽しむファンラン(fun running)なら、体に無理せず仲間と楽しい時間を共有できるはずだ。

「走りながらみんなの完走を祈っていますね」(前出の62歳・男性)

同じ時間を共有することによる、共通言語でのコミュニケーション。こんな至福の瞬間はない。

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