THINK SPORTS『ギアの進化』

スポーツでは、プレーを支えるギアの進化が、時に大きく取り上げられることがある。

たとえば1990年代に、ゴルフのドライバーの素材がパーシモンからメタルに進化した時。飛距離アップ、方向性もよくなり、プロから一般のゴルファーまで、スイングそのものの技術も変化したと言われている。

2008年の北京オリンピックの時は、競泳で高速水着が話題となった。以降、おおよそ4年ごとのオリンピックをきっかけに新作が発表され、選手たちのタイムはどんどん更新されている。

最近では箱根駅伝や昨冬の各種マラソン大会で、一般のニュースでも大きく取り上げられた、ランニングシューズの進化があるだろう。近年のランニングブームのなか、進化したシューズで次々と記録を出すトップランナーの姿は、一般のランナーにも大きな影響を与えた。

こうしたギアの進化は、1分1秒を争うトップアスリートたちの切実な想いから生まれると言える。その想いを汲んだ開発側の努力があり、その結果生まれたものが、今度は一般のスポーツ愛好家へと広まっていく。ギアを通してスポーツに心を寄せるいろいろな人たちの考えが共有できるわけだ。

近未来で興味深いのは、各スポーツのボールの進化である。ボールの中にチップを入れることで、ボール自体の回転数やスピード、どこへ動いたかなど、あらゆるデータが取れるとこと。選手のパフォーマンス向上に役立つほか、スポーツ観戦の際の情報としても活躍が期待されている。

ギアの進化と共に、私たちのスポーツライフもさらに豊かになりそうである。

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