最高の一瞬『練習が大切_内村航平(体操)』

2016年リオデジャネイロオリンピックの、個人総合を戦っているときの内村航平選手です。

スタートで出遅れて金メダルが危ぶまれたのですが、最後は見事に逆転し、個人総合でオリンピック2連覇を果たしました。

内村選手を見ていると、自分で自分を磨いてきたことによる、精神的な強さを感じます。6種目を行う個人総合は、相手との駆け引きというよりは、もう自分との戦いです。体操は特に、本番で練習以上の演技を披露することは不可能です。

したがって、練習のときにいかに難度の高いワザを重複して確実に演技できるようにしておくかが大切で、それをしっかりと本番で出し切れるか。日々の自分との向き合い方が勝負になります。

そうして自分を高めてきた内村選手は、ちょっとすかすというか、クールな装い(それもまた好感が持てるところですが)ながら、しっかり心を整えている感じがしました。

来年の東京オリンピックは、鉄棒1種目に絞って出場を目指すことを決めたようです。身体的な衰えを感じるなか、オールラウンドで戦えないことを受け止めての決断でしょう。

ただ、そこまでしての、東京オリンピックへのこだわりも感じ取れます。

▼藤田孝夫(フジタ・タカオ)

1964年、香川県三豊市生まれ。小学、中学、高校と、明けても暮れても野球の日々。そんな環境下、なぜかTVで観たオリンピックに心惹かれ、後にスポーツカメラマンを志し上京。オリンピックを目指すアスリートを主体に撮影。

1985〜1990年(株)フォートキシモト スタッフフォトグラファーとして在籍後、1991年〜フリーランス。オリンピックは1988年カルガリー大会から2018年平昌大会まで夏冬17回連続取材中。

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