最高の一瞬『日本人離れ_大谷翔平(野球)』

大谷翔平選手が夏の甲子園のマウンドで投げたのは、この2年生のときのみ。花巻東高校の初戦の帝京高校戦でした。

やはり非常に注目されていましたが、ここで田中将大選手と同じ150km/hを投げて、見る者を驚かせました。それがこのときは左足の骨端線損傷というケガを負っていたというので、さらにビックリです。この選手もやはり怪物ですね。

身長は193cm。ダルビッシュ有選手の回でも触れましたが、大谷選手も「日本人離れ」した印象を受けます。同じように大きい選手は何人もいますが、大谷選手のように体をうまくしならせてというのでしょうか。身のこなし柔らかく投げられる選手というのは、なかなかいません。体の使い方がうまいから、あれだけの速い球が投げられるのだと思います。

ところで、この写真は3塁側から撮ったものですが、当時甲子園の高校野球を撮る私たちのチームでは「ひまわり」という役回りがありました。午前中は1塁側、午後になると3塁側に移って撮る。つまり、一日中太陽を向いて撮影するというものです(笑)。

大会全試合を撮った年もあって、暑い中、朝から晩まで撮影ですから、体力的にはきついですね。それでも夏の甲子園には、やはり独特の雰囲気があって、いいものです。毎年この時期を楽しみにしていました。

▼小内慎司(こうち・しんじ)

1968年、東京都生まれ。写真学校卒業後、朝日新聞出版写真部嘱託となり、アサヒグラフ、週刊朝日の取材で71回大会から100回大会まで夏の高校野球選手権を30年連続で撮影。現在は通信社と契約し、プロ野球を中心に活動している。

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