GIRAUDM 「絶耐撥水 HEAT-X 中綿ジャケット」

そろそろ春の足音が聞こえてきそうだが、真冬を思わせるような日に遭遇することもあり、中綿やダウンのアウターはまだまだ手放すことができない。冬が巡ってくると、こうしたウエアを着るのがあたり前になってずいぶん経つ。もはやフカフカで弾力のある中綿やダウンのアウターなくして、冬は乗り切れない体になっているのかもしれない。その暖かな恩恵には本当に助けられるのだが、では不満がないかといえば、そうでもない。

今回紹介するGIRAUDMの「絶耐撥水 HEAT-X 中綿ジャケット」は、そんな暖かいだけでは満足できなくなったユーザーのニーズに応えてくれる1着だ。そのニーズとは劣化を抑えた頼もしい撥水性であり、ムレを防ぐ優れた透湿性などであったりする。

水を弾く撥水性は、今やスポーツ、アウトドアウエアに限らず、多くのウエアが備えている機能だ。だがこのウエアが着目したのは、いかに撥水性を持続させるか。ではどうして撥水性がなくなっていくのかを考えたとき、大きな要因として想定されるのが洗濯だ。実は撥水材と生地との接着箇所が少なかったり、撥水材に用いられるフッ素成分の密度が低いウエアは、洗濯を重ねることによる摩擦や圧力によって、撥水材が剥がれ落ちてしまう。長い間着ていたアウターが水を弾かなくなり、浸み込んできてしまう理由はここにあったのかもしれない。

この洗濯と撥水性の持続の関連については、JISが定めた試験によって、どれだけ洗濯に耐えられるのかという基準があり、区分けされている。普通撥水は耐洗濯性が2~3回程度、スポーツウエアに多い超撥水であれば、耐洗濯性が10回程度とされている。

この“絶耐撥水”と銘打ったこの中綿ジャケットを、JISの基準に当てはめれば、最高ランクにあたる耐洗濯性50回以上とされ、超々耐久撥水に分類される。このカテゴリーに分類される製品のみが、GIRAUDMでは“絶耐撥水”を名乗っている。

この最高レベルの撥水性の持続を実現するために、通常なら最後の過程で生地表面をコーティングすることの多い撥水加工を、染める前に生地全体に施している。フッ素成分の密度の高い撥水材が直接生地に接着され、しかも弾性成分も加えられていることで、摩擦や圧力が吸収されて、撥水材が剥がれにくくなっているのだ。こうした持続性のある撥水力によって、小雨のような天候の変化への対応、汚れを未然に防ぐ効果が長く続くことになる。

また透湿性も防寒ウエアに求めたい性能だ。朝、出かけるときは暖かく快適なのだが、歩き続けるうちに、またそのまま電車に乗ったりすると汗ばんできて、不快なムレが生じる。誰もが経験したことがあるはずだ。この「絶耐撥水 HEAT-X 中綿ジャケット」は、“HEAT-Xプレミアムヒートバインダー”と“マジックサーモ”というふたつの機能素材を組み合わせることで、この気になるムレに対処している。

そもそもHEAT-Xは体からでる水分を吸収すると、生地自体が+2℃発熱するという機能をもつ。“HEAT-Xプレミアムヒートバインダー”はより多くの水分を効率よく吸収する特性があり、発熱量も約15%増している。中綿素材と組み合わせれば、保温力は格段にアップすることになる。

一方、“マジックサーモ”は身体から放出される熱を反射してウエアの内側から逃がさず、太陽光を熱に変換し、ウエア内側を暖かく保つ。さらにもうひとつ大きな特徴として、優れた透湿性がある。保温と同時にムレを防ぐためには最適な素材といえる。

このふたつの機能素材をかけ合わせることで、暖かいだけでなく、ムレにくい中綿ジャケットが誕生した。裏地についているオレンジ色に輝く部分がマジックサーモだ。本来、目が詰まっていない素材のため、防寒ウエアに用いるためには加工が難しかったという。

撥水力がすぐになくなってしまうという、店頭で聞いたユーザーの声からスタートしたこの“絶耐撥水”。開発には十数年をかけ、なおもブラッシュアップを続けている。そして軽量化や伸縮性なども加味しながら、スポーツをする前提で作られている。だが今やユーザーはスポーツをするためだけでなく、スポーツを観戦するため、また外で仕事をするときのためなど、さまざまな用途で、この「絶耐撥水 HEAT-X 中綿ジャケット」を選んでいる。それはこのウエアがもつ高いレベルの機能性が、スポーツを離れたさまざまなシーンで、使い勝手のいいウエアとしても認められていることをものがたっている。

関連記事