THINK SPORTS『おじぎ』

ゴルフのメジャー大会マスターズで、松山英樹選手が日本人初の優勝を勝ち取り、大きな話題となった。

そして、松山選手が優勝を決めて18番ホールを去ったとき、彼のキャディがピンを戻した際、帽子を取ってコースに対して一礼したことも取り上げられ、海外で称賛のコメントが多く寄せられた。

日本のスポーツ界隈で「おじぎ」をするケースは非常に多い。試合に行けば会場に一礼、相手にも一礼。応援に来てくれた関係者にもおじぎするだろう。

これに対して「バカみたいに何回も頭を下げて」と、スポーツ本来のプレーとは関係のないこの手の行動を批判する声は日本でも多い。「礼にはじまり、礼に終わる」という武道の名残りや影響だ、海外由来のスポーツには関係ないなどとする意見もある。

ただ、ここで忘れてはいけないのは、おじぎに込められている対象への敬意や感謝の気持ちなわけだ。プレーさせてもらって(会場)ありがとう。一緒にプレーしてくれて(相手)ありがとう。応援してくれてありがとう、である。

この気持ちは、スポーツに携わる世界中の人々が持っていなくてはいけないものであって、形は違えども世界の多くのスポーツマンがその気持ちを行動で示している。

日本ではその形が、おじぎであることが多いわけだ。先のキャディの行動には対象への敬意が感じられた。だからこそ称賛が寄せられたのだろう。

スポーツができること、楽しめることへの敬意、感謝。その気持ちは決して忘れてはいけないものなのである。

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