THINK SPORTS『スペシャリスト』

アメリカ、MLBでプレーする大谷翔平の活躍が話題になっている。

投手&打者の二刀流。最近では外野守備まで務める三刀流まで見せ、そのハイレベルなマルチタレント振りで、ベースボールファンを驚かせている。

一方、スポーツの世界では、ある特定のプレーで優れている「スペシャリスト」の活躍も見られる。

同じ野球であれば、投手のなかでもリードした試合で確実に相手の攻撃を抑えてチームを勝たせるクローザーの存在。代走で確実に盗塁をする選手。ひと昔前は、バントのスペシャリストも多く存在した。

サッカーでもコーナーキックやフリーキックの場面で活躍する、キックのスペシャリストがいる。弾道鋭く、正確なコースを突けるキックを高確率で蹴ることで、ゴールに直結したプレーができる大切な存在だ。また、サッカーで唯一手が使えるGKもスペシャリストと言えるだろう。

大谷選手のように、あらゆる能力に秀でたスーパーアスリートが、各スポーツのトップクラスを席捲する流れがある。すごい人たち同士の戦いは、それはそれでアスリートの迫力を感じさせる素晴らしいものだ。ただ、この傾向はスポーツを「より速く、より強く」という考えに収斂させがちで、じつはそれだけではスポーツは面白くない。

そうしたなかでも、各スポーツならではの技術の粋や、駆け引きの面白さを見せることができるスペシャリストのプレーは、スポーツの楽しさ、面白さを感じさせる貴重な存在だ。

スペシャリストは、スポーツのプレー、観戦を豊かにする。

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