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最高の一瞬『力強い投擲が撮れるまで_室伏広治(ハンマー投げ)』

日本選手権で1995年から2014年まで20連覇。オリンピックや世界選手権で金メダルを獲得するなど偉大な活躍をした、ハンマー投げの室伏広治選手です。

2011年に韓国で行われた世界陸上競技選手権で、彼が世界陸上で初めて金メダルを獲ったときを撮影することができました。

予選は78m56で1位通過。プレスルームでは「室伏は調子がいいぞ」という話が出ていました。決勝では囲いのネットがない位置で撮影したかったのですが、世界陸上のようなビックイベントになると、限られたメディアしかインフィールドに入れません。

そのため私はネット裏や遠目から狙おうとしていましたが、多数の日本メディアがインフィールドに入れてもらえるようにリクエストを出していたこともあり、報道担当者の計らいで、全員1投のみインフィールドでの撮影ができることになりました。

おかげで、力強くハンマーを投げる写真が撮れました。

じつは、サークル内に事前に仕掛けたリモートカメラもありました。残念なことに室伏選手の1投目しか写っていませんでした。決勝ではファウルスローをする選手が多く、他の選手が投げそこねたハンマーがサークル内のネットに当たり落下。4~5台のリモートカメラが無残な状態になりました。

私のカメラもそこにあって、ミニ三脚とレンズが壊れていました…。

室伏選手はこの日かなり集中していて、順番を待つ間は寝転がって夜空を見上げたり、じっとベンチに座ったりして集中力を高めていました。そして3投目と5投目で81m24を出して優勝しました。

▼高橋 学(たかはし・まなぶ)

1975年、福島県福島市生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より(有)ジャパンスポーツで実績を重ねてフリーランスに。現在はサッカー、フットサル、陸上、フィギュアスケートなど様々なスポーツを取材している。

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