THINK SPORTS『反復練習』

反復練習とは、スポーツでの技術を身に着けるために、同じ動きを繰り返したりするトレーニングのことだ。その技術が備わっている人にとっては、技術の正確性やスピードを追求するためにも行われる。

正確な動きを見ながら、あるいはイメージしながら動いてみて、違っていたら修正する。これを繰り返して、正しい動きを自分の体に定着させるのである。

スポーツがうまくなるには、基本(の動き)が大切という考え方あるので、こうした反復練習が行われるケースが多い。

ところがこの反復練習が、「意味がないのでは?」と声があがることが度々ある。なぜなのかを考えると、簡単に言えば、反復練習をやってもその人がうまくならないからだろう。

いくつかのケースが考えられる。まずは正しい動きがわからないまま反復をしているケース。

技術は、ただ闇雲に繰り返していれば身につくというものではない。体つきが違うから人ぞれぞれ多少の動きの違いがあるとはいえ、その正しい動きの急所をつかんだ動作でなければ、技術はマスターできない。間違った動きの繰り返しは、「悪い癖がつく」として失敗の対象となってしまうだろう。

もう一つ考えられるのは、反復練習の技術が、試合であまり使われないケースである。

例えばジュニアサッカーで、リフティングや対面パスの反復練習をたくさんやるチームがあるそうだ。だが、ボールを蹴り上げたり、正面の相手にパスをするケースが実際の試合のなかでどれだけあるかと言えば、かなり少ない。

基本を身につければ応用が利くという考えもあるが、そんな選手たちが、試合で他のシチュエーションには対応できないというのであれば、やはりその反復練習は意味がないものになってしまう。他の練習をもっとやったほうがいいのではと感じられてしまうはずだ。

つまり反復練習は、そのやり方と効用を考え、正しく利用しなければならないということだろう。

反復練習とは、技術を身に着けるために正しい動きを繰り返すトレーニングだ。スポーツを楽しむ者は、それを改めて心に留めておきたい。

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