
スポーツイラストレーター宮内大樹 HIROKI MIYAUCHI Vol.2「日本代表エースからのサプライズ」
SNSをきっかけに大きく人生が変わったスポーツイラストレーターがいる。「hiroki.38」こと宮内大樹さんだ。
宮内さんがサッカー選手をテーマに描いたイラストをInstagramに投稿し始めたのは2014年だった。
サッカー日本代表の香川真司がSNSのアイコンにするなど、本人の予想を遥かに超える反響につながっていく。
「SmartSportsNews」の独占インタビューを3回に分けてお届けする。
大宮アルディージャからのオファー
――インスタグラムに投稿し始めてから、どのぐらいで仕事につながっていったんでしょうか?
1年ぐらい経ったころに「サッカーマガジンZONE」という雑誌からお仕事をいただいたんです。編集者の北健一郎さんがインスタグラムを見てくれていたみたいで。それが初めてのサッカーでの仕事です。
――大宮アルディージャのポスターも手がけられていましたよね。
2016年の仕事始め、1月4日にメールが来たんです。「大宮アルディージャです。今シーズンのポスターを描いてもらえませんか」と。「イタズラなんじゃないか?」と思いつつ返信したら本当で……。うれしくて、うれしくて、福岡から大宮まで打ち合わせに行っちゃいました。
――当時はZOOMのようなものもなかったですし。
で、大宮のクラブハウスに行ったら、当時チームのエースだった家長昭博選手が僕のことを知ってくれていたんです。実は家長選手はイラストで描いたことがあって、それを奥様から教えてもらっていたみたいで。「イラストありがとうございます」と家長選手に言われて「こちらこそ勝手に描いてすみません」と返すという。
――(笑)。
今すごい夢叶ってるなと思いましたね(笑)。Jクラブのクラブハウスに行くことも初めてだったので、「こんな風になってるのか!」とめちゃくちゃテンションが上がりました。ポスターのイラストでも自分らしい表現ができましたし、今でも思い出深い仕事です。
――それ以外でも印象に残っている仕事はありますか?
双子でサッカー日本代表になった佐藤勇人さんと佐藤寿人さんの本(あきらめない勇気 困難に立ち向かう君に贈る75の道標/東邦出版)のカバーイラストを描かせてもらったのは、すごくうれしかったです。それまでも情報誌とかパンフレットの表紙はやったことはあったのですが、書籍の表紙をするのは初めてだったので。
――宮内さんの仕事が増えたきっかけはなんだったんでしょうか。
それまでは勝手に描いていたわけじゃないですか。グレーな感じも強かったんじゃないかと思うんです。それがサッカー雑誌や公式ポスターなどで仕事をさせてもらったことで“公式感”が出たというか。それから、ちょこちょこと媒体から声をかけていただけるようになったんです。