選手のSNS活用は「試合の振り返り」が鉄板! ブランドマーケター・みる兄さんが分析するJクラブの勝ち筋
マーケティング界隈でコアな人気を誇る『みる兄さん』の連載コラムがスタートします。
第1回のテーマは「JクラブのSNSマーケティング」についてです。
試合告知や地域活動の報告、移籍情報、スポンサー紹介など、さまざまな形で活用される公式SNSアカウント。Jリーグでは57クラブ全てがTwitterの公式アカウントを運用しています。
しかしSNSを用いて自分たちでコンテンツを生み出すには、予算もリソースも限界があります。Jクラブは、どうすればSNSを有効活用できるのでしょうか?マーケティングの観点から、みる兄さんに綴っていただきました。
■クレジット
文=みる兄さん
■目次
・サポーターとの繋がりを作るためのSNS活用
・SNSの利用者とサッカーの関係
・JクラブとSNSの相性は良いのか?
・相模原のSNS活用にみる事例
・JクラブのSNS活用による勝ち筋
サポーターとの繋がりを作るためのSNS活用
いまではJ1、J2、J3どこのサッカークラブでも、公式SNSアカウントを開設しています。試合の告知、地域活動、選手の誕生日、移籍情報、スポンサー紹介などなど、役割はさまざま。さらにクラブとしてのSNS活用のスタンスには特長があります。
SNSを活用したマーケティングを5年ほど担当し、なおかつサッカーが大好きな私が、独自の視点でJクラブとSNSの関係をひも解きます。サッカーをより楽しく、また他のスポーツクラブやSNS活用を検討している『中の人』たちの参考になるように考察していきます。
今回は、特にJ2のクラブに焦点を当てて調べてみました。
なぜJ2か。
J1に定着しているクラブの公式SNSアカウントのフォロワー数は、軒並み10万を越えています。所属している選手も1万フォロワーをゆうに越えており、これはテレビ広告でみる誰しもが知っているマスブランドと同じくらいのSNSフォロワー数です。
企業やブランドのSNS活用はもともと持っている知名度を生かして、掛け算のように情報を届ける役割があります。
しかし『良いコンテンツ』と『企画』と『運用』を組み合わせることで、予算規模や知名度がない企業やブランドでも、SNSを活用してお客さまとより強い関係を作り、ライト層に足を運んでもらうきっかけにもなります。
SNSの利用者とサッカーの関係
現在のSNS利用者は下記の通りです。
出典:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1910.html
利用率で言うとTwitterが46.3%、Instagramが41.3%、Facebookが34.1%と続きます。Facebookのみここ数年利用率が下がっています。
TwitterとInstagramの年齢別の利用状況は以下の通りです。
出典:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1910.html
それぞれ20代の利用率を見てみるとTwitterが63%、Instagramが56%とピークになっています。
一方、Jリーグのスタジアム観戦者の平均年齢は42.8歳(観戦者調査サマリーレポート2019)となっています。SNSの年代別利用状況と観戦者の平均年齢。2つのデータを照らし合わせると、平均年齢の高い既存のサポーター向けて、SNSはそこまで積極的に取り組む必要はないと思われるかもしれません。
しかし、マーケティング/ブランディングの名著『ブランディングの科学』の中でバイロン・シャープ氏が提唱していたように、”マーケットシェアの成長のためには顧客基盤を拡大することが何よりも重要”です。
既存の顧客のロイヤリティを高めることは大切ですが、新規客の開拓に向き合わないと、顧客(サポーター)は流失してしまい、クラブ経営はジリ貧になってしまいます。ライトユーザーを拡大していくことが、今後のJクラブが成長していく上では重要と感じています。
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