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スペシャルコンテンツ 高佐華子×塩沢秋乃 HANAKO TAKASA AKINO SHIOZAWA Vol.2「1個からでもつくる! SC相模原のグッズ戦略」

UPDATE 2021/03/05

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元日本代表の望月重良氏が2008年に立ち上げ、わずか6年でJリーグ加入を果たしたSC相模原。
このクラブで重要な役割を担う2人の女性がいる。広報担当の高佐華子さんとグッズ担当の塩沢秋乃さん。
入社前はサッカークラブで働いた経験はゼロながら、ユニークなアイデアを次々と生み出して、観客動員やファン数増加に貢献している。
SC相模原の女性スタッフが主導している、ファン・サポーターを夢中にさせるかわいい系ブランディングとは――。
「SmartSportsNews」の独占インタビューを3回に分けてお届けする。

需要がある限りは、全選手でやりたい

――塩沢さんがSC相模原に入ったきっかけを教えてください。

塩沢 私は2019年の5月です。それまでは株式会社イミオという、スポーツブランド「sfida」の運営をしていて、アパレルやボールを作っていました。スポーツに関わることはできていましたが、高校の時からずっとクラブチームで仕事をしてみたいなという気持ちがあって。そんな時に大学時代にインターンをしていたSC相模原の方からお話をいただきました。イミオでの仕事は楽しかったですし、やりたいこともまだまだあったのですが、クラブチームで働きたいという気持ちが捨てきれず転職しました。

塩沢さんはSC相模原というクラブの雰囲気をどのように感じましたか?

塩沢 「大変そうだな」というのが第一印象でした。J1のクラブだったら運営や広報は何人かスタッフがいると思うのですが、相模原の場合は各部門の担当は1人しかいないんです。しかも、私が入社するまではグッズは運営の方が掛け持ちでやっていて、専任の担当者がいませんでした。

――塩沢さんはスポーツブランド出身ということですが。

――塩沢 イミオでは商品のコンセプトやデザインを決めるのは別の担当者がいて、私は商品の出荷・発注がメインでした。イミオに入社してからMD(マーチャンダイザー)に興味が湧いてきて、相模原だったらそういうところもできるんじゃないかと。

――グッズに関してはクラブマスコットのガミティをデザインしたものが多いですよね。

塩沢 はい。ガミティのグッズが何よりも売れると思っていたので、今シーズンは“ガミティ推し”で行こうと。

――次から次へと新しい商品が出てきますが、どうやって考えているのでしょうか?

塩沢 他のクラブが作っているものを参考にすることも多いです。横浜FCにSC相模原のインターン時代の同期がいるので情報交換をしています。例えば、充電カイロは横浜FCが出していたので、すぐに連絡してメーカーを教えてもらって。

――子ども向けのグッズもすごく増えている印象があります。

塩沢 今年はコロナの影響でスタジアムに来づらかったと思うのですが、SC相模原は多くの家族連れで応援してくださっています。選手からも子ども用のグッズはないの? と言われることもあって、一定数の需要があるのであれば作ろうと。

――でも、たくさん売れるわけではないものを商品化するのは在庫を抱えるリスクもありませんか?

塩沢 今年はコロナで無観客試合での再開になったのでグッズ生産がまったく読めませんでした。4、5月くらいまでの販売予定分はすでに発注していたので仕方ないですが、それ以外は受注生産で行くことにしました。受注生産だったら何も怖くないので(笑)。

――なるほど。

塩沢 たくさん作れば1個あたりのコストは下がるので、たくさん売れた方が良いのは間違いありませんが、基本は1個から作ってもらえるメーカーにお願いしています。あと、受注生産のメリットは個人選手対応ができることです。今シーズンは特定の選手を応援している“個サポ”が多いので、すごく喜んでもらえています。

――在庫を抱える形だと、どうしても人気のある数人に絞らざるをえない。でも、受注販売だったら極端に言えば1試合も出ない選手のグッズも作れるということですね。

塩沢 はい。実際にオーダーが少ない選手もいます。でも、1人であっても需要はあるし、より多くのファン・サポーターの方に喜んで欲しい。スタメンの選手だけ作るとかっていうのは個人的にあまりしたくないんです。需要がある限りは、全選手でやりたいなと思っています。



マスコットはいなくならない

――今シーズンのグッズで予想以上に売れたものがあれば教えてください。

塩沢 全選手対応のビッグバスタオルです。1枚1万円するものなので、正直あまり売れないかもしれないと思っていましたが、予想の3倍の注文をいただきました。

――何が売れて、何が売れないというのはだんだん見えてきましたか?

ビッグバスタオルは直筆サイン入りとサインなしで分けたんです。今はこういう状況なので、ファン・サポーターの方はサインをもらうことができないですし、練習見学ができるとしても遠くに住んでいで行けない、練習に行ってもしゃべりかけるのが苦手など、さまざまな人がいます。コロナの影響で始めたサイン入りグッズの販売ですが、ニーズがあるのがわかったのはよかったです。

――新型コロナウィルスの感染拡大で無観客試合になったり、今も観客数は制限されています。そういう中でグッズの売り上げはクラブの貴重な収入源になっているのかなと思うのですが。

塩沢 実はすでに昨年よりも売り上げは超えているんです。コロナになった後にクラブとしての売り上げの目標設定は下げたのですが、当初に立てた目標を達成できる可能性も見えてきています。

――逆に、これは失敗したなぁ〜みたいなのはありませんか? ガミティのかぶりもの「なりきりガミティ」とか……。

塩沢 あれも結構売れたんです。北海道コンサドーレ札幌が「ドーレくん」のかぶりものを作って話題になっていたので、うちもガミティでやりたいなと思って。ただ、発売した時期は夏場だったのですごく暑くて(苦笑)。今は冬になって寒くなってきたので、スタジアムでも防寒グッズとしてかぶってる人がたくさんいます。

――マスコットはグッズを作る上でも重要な存在ですか?

塩沢 はい。ガミティはいなくならないので。多少顔が変わることはあるかもしれませんが(笑)。SC相模原というより、ガミティが好きな人もいますし、それも良いんじゃないかと思っています。



Vol.1「かわいいで勝負する! SC相模原の広報術」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/5fdc1ac082f02561e9268815

Vol.3「コロナがJクラブに与えた影響は?」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/5fdc1dd9fe0298563f54f493

■プロフィール

高佐華子(たかさ・はなこ)
北海道函館市出身。青山学院大学卒業後、一般企業を経て、当時JFLだったSC相模原にボランティアとして関わる。2014年よりJ3に昇格したSC相模原に入社し、広報・ホームタウンをガミティ(マスコット)とともに担当する。通称「広報たかさ」。

https://twitter.com/SCSofficialPR

塩沢秋乃(しおざわ・あきの)
長野県上田市真田町出身。順天堂大学在学時にSC相模原でインターンとして関わる。卒業後はスポーツブランドを運営する会社を経て、2019年よりSC相模原に入社。事業部門のグッズ、ファンクラブ、チケット担当を主に担当する。通称「グッズ担当塩沢」。

https://twitter.com/scsgoods

SC相模原グッズショップ
https://store.jleague.jp/club/sagamihara/

■クレジット

取材・構成:北健一郎
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