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酷暑&コロナ禍での部活動は、無理ゲーです。ある高校サッカー部監督の提言

2年ぶりに筆を執りました

3年前、私はフットボリスタさんで『酷暑のサッカーはお金がかかるという記事を出させていただきました。連日「猛暑日」が続くなか、高校生の部活動を指導して感じていたことを発信しました。

記事は思いのほか反響を呼び、多くの反応や意見をいただきました。今回は、さらに「コロナ禍」という厳しい状況が重なるなかでの部活動の現状を共有し、今後のみなさんの取り組みに対して意味ある提言になればと思い、再び筆を執りました。

今回のポイントは、こちらです。

1.やっぱり酷暑のサッカーは大変
2.コロナ禍における様々な制限との合わせ技でもっと大変
3.これからのこと

本題に入る前に、少しだけ私の自己紹介をしておきます。

以前の和歌山県立粉河高校から橋本高校に異動となり、新たな地でサッカー部の顧問をしています。Twitterの旧アカウントが不慮の事故で凍結となり、新たなアカウントで細々と日々の活動や備忘メモなどを発信しております。

やっぱり酷暑のサッカーは大変

お盆前後は、酷暑はどこへ?と感じたものの、7月下旬は今年も「酷暑」でした。

梅雨が長かったこともあり、一気にその暑さをぶつけられたような盛夏へと突入。夏休み前の平日であれば、部活動の開始時刻が夕方となるため、気温もある程度は落ち着いた時間帯(17時〜19時くらい)での活動を行っていました。

しかし、7月21日から夏休みに入ると状況は一変しました。本校サッカー部は、9時から11時まで活動時間に設定しています。この時間帯でも十分暑い。ここは、例えば活動時間を1時間前倒しするなどの工夫で多少、暑さを軽減することも可能だと思います。

ですが、本校のように通学に使用する電車の本数が少ない、学習面との時間配分への配慮など、様々な要因から「部活動中心」の調整が難しい現状もあります。実際、通学に1時間以上かかる生徒や、午後は補習や塾の夏期講習に参加する生徒も多くいます。

そして、兎にも角にも「暑い」ということです。そのため、常について回るのが「冷却用の氷の確保」という問題です。

学校における部活動であれば、学校に備え付けの製氷機を活用する方法もあり得ますが、一般的に「自クラブのみが十分に利用できる」状況は少ないと思います。そこで、「自クラブで利用できる氷の配分量でやり繰りする」か「足りない分は適宜補填する」という選択肢になります。実は、今年度は部員数が14人と少ないため、日々の活動は学校の製氷機でなんとかやり繰りできています。問題は、練習試合などの校外での活動時です。

基本的な方針は、「夏に行う試合」だと『スクイズボトル用』(人数分は最低限必要『ポカリなどをジャグタンクで作る用』『身体冷却用』(氷水でタオルなどを冷やす)を、「給水」「クーリングブレイク」「ハーフタイム」「試合前後」といったタイミングで準備するイメージです。各自で準備できるものもありますが、当然こちらで購入、準備するものが大半となります。もちろん、人数が増えるほどに経費はかさみます。

ざっと見積もると、1試合における「氷の出費」はこのようになります。

・スクイズボトル用(×15本):バラ氷1.1kg×10(約250円×10=2500円)
・ポカリなどをジャグタンクで作る用:板氷1枚(約300円)
・身体冷却用:板氷1枚(約300円)

1日2試合とすると、単純に2倍です。

ただし、昨年度と今年度は、夏季休業中の活動に対する制限が重なるため、実はそこまで大変な状況にはなっていません。しかしあくまで現状の話であり、これまでのような活動を今後も想定するのであれば、常に向き合うべき課題だと思います。

ちなみに、熱中症対策としてサッカー部独自で選手に伝えている指針はこちらです。

・炎天下で20分以上連続でプレーしないで日陰に入る
・全体での練習は2時間まで
・35℃以上の日は練習を中止する
・2日活動したら1日オフを設定する

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