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【#9】60点以下は0点と同じ! ドライバーはなぜこれほど“地獄”なのか

モデルでタレントの「みちょぱ」こと池田美優さんが最近ゴルフを始めたそうです。ご本人がラジオで話していたところによると、月に1回ぐらいしか練習にも行けなくて、なかなか上手くならなかった。初めてコースに行ったところ、スコアは160だった。運動神経がいいキャラでやってきた彼女としては、めちゃくちゃ悔しかったそうです。

——いや、悪くない!全然悪くないよ!私の初ラウンドのスコアは184だったので、それに比べれば天と地ほどの差があります。現在のみちょぱさんは、135というスコアを当面の目標にしているそうです。

奇しくも、135というのは1年3カ月ゴリゴリにゴルフをやってきた私のベストスコアと同じです。ヤバい!みちょぱが追いかけてきた!

なんてことを思っていたら、「こじるり」こと小島瑠璃子さんは最近、猛烈にゴルフにはまり、始めて5カ月で100切りを達成したそうです。こじるり!待ってくれ!俺を置いていかないでくれ!こじるりの背中が遠くなる一方、みちょぱがどんどん間合いを詰めてくる。

でも、そうやってあらゆる努力や才能がスコアひとつに還元されて単純に比べられてしまうところが、ゴルフの残酷さであり、魅力でもありますよね。はい、スコア135の割にはうまくまとめてみました。

ドライバーは他のクラブと打ち方は一緒?違う?

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そんなわけで前回の続きです。私の中のマリー・アントワネットが「ドライバーが曲がるなら、FW(フェアウェイウッド)で打てばいいじゃない」と指示を出してくれたので、ティーショットをFWで打つ作戦を試してみました。

しかし、どうもしっくりこない。とにかく成功率が低すぎてお話にならない。OBも出ないけど飛距離も出ない。本来ならティーショットではFW(フワちゃん)ぐらいグイグイ距離を詰めないといけないのですが、安定して距離を稼げないのでは意味がない。

そんなわけで、私は一度はあきらめたドライバーに再び向き合うことにしました。しかし、これが新たな地獄の始まりでした。

当初の予定では、ドライバーだけを集中して練習し続けて、これが安定してきたらほかのクラブの練習もやっていこう、というふうに考えていました。

ここで『ジョジョ』の東方仗助なら「なるほど、完璧な作戦っスねーーっ。不可能だという点に目をつぶればよぉ〜〜」と言っていたでしょう。そう、これもやっぱり甘い考えだったのです。

ドライバーに関するセオリーとしては「ドライバーの打ち方はほかのクラブとは違う」という説と「ドライバーの打ち方もほかのクラブと同じ」という説があり、レッスンプロでも人によって言うことが違います。

「違う説」を唱える人は、ドライバーはティーアップしてボールを高い位置に置いてアッパーブローで打つものなので、ほかのクラブとは感覚が違う、ということを主張します。

一方、「同じ説」を唱える人は、いやいや、たしかにボールの位置は違うけれど、ドライバーではその分だけボールを左側に置くことになるので、スイング自体が変わるわけではない。ボールの位置が違うから結果的に当たり方が変わるだけで、打ち方を変える必要はない、と主張します。

あらゆるゴルフレッスン情報を吸収してきた雑食派の私に言わせると、これこそゴルフ理論における「どっちもどっち」の典型です。どちらも間違ったことを言っているわけではなく、同じ現象を違う表現で述べているだけだったりするのでしょう。

ただ、私の実感としては、やっぱりドライバーはほかのクラブとは全然違うな、と思います。最大の違いはクラブの長さとヘッドの大きさです。とにかくクラブが長くてヘッドが大きいので、スイングの軌道が大きくなるし、重さのバランスも変わる。これがドライバーを難しいと感じる最大の原因です。

ほかの短いクラブでは、多少おかしな打ち方をしてもごまかしが効くのですが、ドライバーではそれが一切通用しない、という感じがありました。きちんと体を使ってバランス良くスイングをしないと、そもそもまともにクラブを振れないし、ボールに当たらない。

さらに、飛距離が出る分だけ曲がりも大きく出る。打点が1ミリずれたり、フェースの角度が1度ずれたりするだけで、打球は死ぬほど大きく曲がっていきます。

たとたとえるなら、60点のスイングをしたときに、ほかのクラブでは60点なりの当たりが出るのに対して、ドライバーでは0点の当たりになる。つまり、空振りや大ダフリやOBになってしまうのです。70点未満は問答無用で0点になる恐怖の足切りシステム。

この意味でも、ドライバーは一定レベルまではどうしてもできるようにならないといけないクラブなのです。でもやっぱり難しい。ドライバー地獄道に足を踏み入れて、現在まで約1年。何が恐ろしいって、今でもまだその地獄から抜け出せてはいないのです。

「そのお化けが出たというのが、実は今住んでいるこのアパートなんですよね」っていうヤバい怪談のオチみたいになってしまい恐縮です。ほら、あなたの後ろにも、ドライバーの霊がいますよ……。

>>【連載】連載:ラリー遠田の「ゴルフ沼へようこそ」〜日本一不器用な初心者ゴルファー奮闘記〜

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