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イヤホンで音楽を聴きながらゴルフしてもいい? 「ゴルフは耳も使ってしている」事実を知ろう

イヤホンで音楽などを聴いてプレーすることを否定はしないが、あえて外界の音を遮断してまでゴルフをするのは不自然

「イヤホンで音楽を聴きながらゴルフをしてもいいのですか?」という質問がありました。
イレギュラーな質問に戸惑いましたが、回答期限ギリギリまで、粘って、納得する答えを出したいと思ったのです。コースの関係者に取材してみると、「フォアー」という警告の掛け声が聞こえれば、禁止とまでは言えない、ということでした。実際に、耳が不自由な方でもゴルフを楽しんでいる人はたくさんいます。

視点を変えてみて、同伴者がイヤホンをして音楽を聴きながらゴルフをしていたら、自分の世界に入ってしまっているのは何故? と、不思議な気分になると思うのです。もし初対面であれば、非常識な人というレッテルを貼られそうです。

もちろん、スイングのリズムやテンポを調整する意味で、イヤホンでリズム音を聞きながらパッティングやスイング練習をするプロゴルファーはいますが、ラウンド中にイヤホンで音楽を聴くということはあまりないと思われます。

ゴルフショップで働いていた頃に、ある実験に参加して驚きました。周囲の音を遮断するヘッドフォンをしてボールを打つと、ほとんど打感がなくなってしまうのです。打音が聞こえないと打感も感じないという実験だったのです。打感がないゴルフは、実に味気ないものでした。

ゴルフと音は、切っても切れないのです。
無意識にスルーしていますが、自分の打った打音、同伴者の打音、移動中の会話。ときには、隣のホールの歓声や嘆き声も聞こえます。すべて、ゴルフシーンに欠かせない音です。
「フォアー」という警戒の掛け声は大声ですが、小さな声で、ナイスショト、などの賞賛の掛け声も聞こえてきます。すべてはゴルフの世界を彩る音です。

季節ごとの鳥のさえずりやカエルやセミや鈴虫の鳴き声。秋には、どんぐりが落ちる音まで聞こえるのを知っていますか? そして、雨の音や風の音、天候も聞こえるのです。すべての自然の音は、ゴルファーへの応援のエールと思いたい。

ゴルフは、しーんとした中で行うので、静寂のゲームといわれています。その意味を、音で邪魔をするのはフェアではないからだ、というセオリー以外に、たくさんの音を楽しみながらゴルフをするためだ、と逆の意味に深読みしてしまうのです。

質問への回答は決まりました。
「音楽を聴くことを否定はしないけれど、ひとりの世界に浸るには、もったいない面白さが、静寂の中の音に溢れたゴルフにはあるので、イヤホンなしで楽しむことがオススメです」

アナタを拒否するというパフォーマンスでないのであれば、イヤホンなどせずに、耳でもゴルフを楽しみましょう。ゴルフコースで、聞こえる音は、ゴルフの一部。ただボールを打つだけではなく、こういうところでもゴルフは面白いのです。

(取材/文・篠原嗣典)

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