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体調不良もなんのその 「吹っ切れた」鈴木愛が4年ぶり大会2勝目へ

体調が悪くても「65」。鈴木愛が優勝戦線へ(撮影:福田文平)

<伊藤園レディス 2日目◇11日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

「体調はすこぶる悪いです」。今週初めに風邪をひいて、すっかり鼻声の鈴木愛が8バーディ・1ボギーの「65」とスコアを伸ばし、首位と2打差のトータル10アンダー・2位タイと好位置につけた。今大会では2度目の賞金女王に輝いた2019年に優勝。コンディションが万全とはいえないなか、4年ぶりの大会制覇を狙う。

歴代優勝者の一人でありながら、「このグリーンはツアーでトップ3に入るぐらい、私にとっては読みづらい。いいイメージはないですね」。優勝が奇跡と思えるほど、本人の中では苦手意識がある。それでも、この日は7番で6メートル、11番で10メートルの長い距離のバーディパットを沈めた。100%本音なのかは分からないが、「どうせ入んないと思って打ってます」と割り切ったことが奏功した。

月曜日に突然体調を崩し「水曜日ぐらいに良くなったと思ったんですけど、翌日のプロアマの後にめちゃくちゃ悪くなって。頭も痛いし、寝てちょっとは良くなったんですけど…」。その後も良くなったり、悪くなったりを繰り返している状態。熱はないが、だるさや頭痛に苦しんでいる。これまでの経験から、体調不良の中での試合は「どっちかに振り切ってると思います。すごく良くて優勝争いか、全然ダメで予選落ちか。中途半端は少ないですね」。グリーン攻略に続いて、体調面についても割り切った様子で話した。

2週前の「樋口久子 三菱電機レディス」は最終日を単独首位で迎えながら、まさかの失速で19位タイに終わった。「さすがに優勝争いをしていて『80』を打つことはなかったので、気持ちが落ちたところもあったんですけど、もう吹っ切れています。今季は何度か優勝争いをして、1回しか勝てていないので、最終日に伸ばして上についていかないといけないですね」。今週は早くも巡ってきたリベンジの機会でもある。

鼻声のまま「早く帰りたい」とこぼしつつも、ドライビングレンジに向かうところはさすが練習の虫。「ショットは軽くで、パターはしっかり目という感じでやります」とその後は練習グリーンにも足を運んだ。「ショートアイアンで打つことが多いコースなので、4~5メートルにはつけて、それをしっかり決めていきたいですね」と優勝争いのカギを握るのはやはりパッティング。豊富な練習量で、最終日は苦手なグリーンを攻略してみせる。(文・田中宏治)

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