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パーオン率1位奪還へ長年の相棒からスイッチ 稲見萌寧の“厳しい”基準をクリアした逸品アイアンとは

ニューアイアンににんまりの稲見萌寧(撮影:福田文平)

<富士通レディース 事前情報◇12日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>

2019年からツアーに本格参戦し「センチュリー21レディス」で初優勝。コロナ禍で統合となった20-21年シーズンには賞金女王に輝き、22年もメルセデス・ランキング3位に入った稲見萌寧。今季はここまで未勝利で同22位と調子が上がらない時間を過ごしたが、終盤戦に向けてようやく復調してきた。

先週の「スタンレーレディスホンダ」では3日間通してグリーンを外したのは2回だけ。驚異のパーオン率をたたき出した。稲見といえば19年、20-21年はパーオン率1位。昨年は2位と、ツアー屈指のショットメーカーだ。稲見の代名詞でもあるそのパーオン率は、今年は先週を終えた時点で10位と、納得にはほど遠い。

「6月から見てもらっているコーチのおかげでショットがそこそこ良くなってきたので」と上向きは実感している。あともう少しという今の現状をさらに確固たるものにするため、ギアにも変化を施した。慣れ親しんだ2017年発売のテーラーメイド『P770』アイアンから、ミズノの新作『MizunoPro 243』にスイッチしている。実は先週から使いはじめ、早速パーオン率96.3%という驚異の数字に貢献した。

「小学校のときはミズノさんを使っていました。なじみはありますし、顔も抜け感も好きなので、それがマッチして使ってみました」。ジュニア時代にも使用歴のあるミズノのアイアンが、ピタッとはまった。「ミスしたときの度合いが自分のイメージと合うので、安心感があります」。ナイスショットはもちろん、ミスでも安心。過去にはパーオン率80%を目指したいと話していた稲見が、アイアンに求めるクオリティーはとても高い。そのなかでお眼鏡にかなったというわけだ。

今回、アイアンを替えた理由の一つは、『P770』がすでに古いモデルで在庫がなくなりそうだから。「いろいろ探していたんですけど」というなかで、6月下旬にミズノから渡されたものにピンときた。そのモデルが実際にできあがったのは8月で、これを渡された稲見は「少し軽かった」と追加オーダー。重量を増やしたものがスタンレーに持ち込まれ即採用、見事にはまったという。

「各番手ほんの1グラム程度重くしただけ」とツアー担当者が言うように、繊細な感覚を持つ稲見の手に早速なじんだ新アイアン。「顔も振り感も、抜け感も音も、飛距離も飛び方も、わたしはぜんぶ完ぺきじゃないと替えません。いま使っているものより、この一つでも欠けていたら使いません」という稲見が、理想のアイアンをようやく手にした。

スイングの見直しなどもあって不振が続いた序盤戦から、これでようやく明るい兆しが見えてきた。「開幕してちょっとの頃は68位まで下がった」と春先のパーオン率の推移を悔しそうに思い出す。「いま10位まで戻ってきたので、ここから頑張って戻して、突っ走りたい」と、パーオン率の順位アップも終盤戦の大命題。磨きをかけたアイアンショットを武器に、地元大会で1年ぶりの優勝に挑む。

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