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完コピすればナイスショット連発!? 岩井明愛の強さは、プレショットルーティンにあり

アドレスに入るまでの一連の動き“プレショットルーティン”。これを癖付けるれば、余計なことを考えなくなるので、プレッシャーの掛かる場面でも必要以上に緊張することがなくなり力を発揮しやすくなる

初日から首位を走る完全優勝でツアー通算3勝目を挙げた岩井明愛。最終日は、8番パー5で2オンに成功しイーグルを奪取すると、後半の14、16番でもバーディを奪うなど、現在パーオン率をはじめ、年間トップ10入り回数、平均バーディ数など7部門で1位のスタッツを裏付ける強さを見せた。そんな彼女のスイングからわれわれも真似したいポイントを、プロコーチの南秀樹に解説してもらった。

「やわらかなスイングが特徴的な岩井明愛さんは、アドレスでの力感も理想的。スイング中に大きな筋肉を使うには、力み過ぎてもリラックスし過ぎてもダメ。自然体で構えることが大事になります。10の力があるとすれば、10で構えるのではなく、6から7割程度の力感でアドレスするのが理想となります」。程よく力が抜けたアドレスをするには、こんなイメージを持つといい。「硬いアドレスする人の多くがボールに対して構えています。ボールに覆いかぶさるような格好になれば、肩が開き、左足体重にもなりやすく、スライスの原因になっています。岩井さんのように柔らかく構えるには、ボールではなくボールが飛んでいくラインに対して構えたいんです。弾道の最高到達点をイメージしながら、飛球線に対して構えることで、重心が下がり過ぎることなく、体もスクエアにセットしやすくなります」。

もうひとつ意識したいのが、アドレスに入るまでの一連の動き“プレショットルーティン”だ。「素振りを何回するか、何歩でアドレスの位置に行くか、グリップはどのタイミングで決めるのか、すべての動きをルーティン化することで、アドレスの再現性が高まります。このルーティンを癖付けることで、余計なことを考えなくなるので、プレッシャーの掛かる場面でも必要以上に緊張することがなくなり力を発揮しやすくなるのです」。細かく動きを書き出し、秒単位でルーティンを決めるのは、ジュニアやプロを指導する上で当たり前になっているという。

ルーティンの内容は人それぞれで構わない。例えばグリップをどの段階でどうやって握るのか、スイングのイメージやその人の癖によって合うものが変わってくる。「スイングの一体感を重視するなら両手でグリップを決めたり、右手の感覚を大切にしているなら右手で入ったり、肩が開きやすいなら左手で入るなど、ルーティンにこれというものはありません。自分の決まり事を作ったら、それを実践してください」。岩井のように自然体でルーティンをこなすには、それ相応の練習が必要になる。明日から練習場でもルーティンを意識してボールを打ってみては。

南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属

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