• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 本人もビックリ!「まさかあそこにつくなんて」 ささきしょうこが谷底から奪ったミラクルバーディ

本人もビックリ!「まさかあそこにつくなんて」 ささきしょうこが谷底から奪ったミラクルバーディ

谷底ショット直後に笑顔を見せるささきしょうこ(撮影:鈴木祥)

<明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 3日目◇11日◇土佐CC(高知県)◇6228ヤード・パー72>

ツアー通算3勝のささきしょうこが、“ミラクルバーディ”で優勝争いに踏みとどまった。それが10番パー5。2打目が大きく右に出ると、ボールは谷の下へ。トータル11アンダーで首位を並走していたなか、『パーなら御の字、最悪ボギーでおさめたい』というようなピンチが訪れた。

ピンまでは130ヤードほどだが、10ヤードほど先にある木が邪魔なため、本来なら8番アイアンを握る距離だが6番アイアンを抜いた。「グリーン左のラフならアプローチを寄せやすい。6番でカットフェードを打とう」というのがその狙い。すると、その後の寄せワンをイメージしたショットは木の下を抜けグリーンに着弾。ラフどころかピン手前6メートルにつく、見事なトラブルショットになった。

さらに続くパットを決めて、バーディを記録。思わず本人も「打った瞬間、うまく打てた感覚はあったけど、グリーンはこぼれているかなと思ったら、まさかあそこにつくなんて」とビックリするプレーで、一時は単独首位に浮上した。このピンチを切り抜けると、11番、16番でともに2.5メートルを決めて、2つのバーディを上積み。ボギーフリーの「67」で、首位と2打差のトータル14アンダー・2位と優勝争いに食らいついた。

ショットの状態には納得いかないなか、この日も18ホール中15ホールでパーオンに成功。3日間トータルでも85.1%とグリーンを狙うショットの正確性が、スコアにつながっている。「短いバーディパットをたくさん外したので、そこが悔しい」と、もっと伸ばせた手ごたえもあり、それがそのまま最終日への課題になりそうだ。

この土佐CCは、中学時代から毎年オフに使用しているいわばホームコースで、「帰ってくると、『ただいま』、『おかえり』で迎え入れてくれる」というほどの間柄。「コースを知っているぶん、ピンポジションごとに『ここなら(打っても)大丈夫』という自信はある」と話す。しかし一方では「嫌なところも知っていて、バーディパットで『ここは下りが速い』などプレッシャーも感じています」とも。酸いも甘いもわきまえているだけに、残る1日にしっかり生かしていくつもり。

昨年末に左足中指を骨折。2カ月ほどクラブを握れない日が続き「開幕に間に合うのか」と落ち着かないオフを過ごした。ようやく練習を再開したのが2月になってから。ただ、今は「いい意味でゴルフから離れられた。ゴルフのことで思い詰め過ぎなかったのでよかったのかな」と、それも前向きにとらえられている。先週の開幕戦は5位で終えており、その好調を高知でもキープできている。

第1ラウンドの終盤に雷雲接近によるサスペンデッドはあったものの、それ以外は比較的穏やかな天候のなかでのプレーが続く。「このコースでは考えられないくらい風がない。前半は吹いてなくても、後半吹くかも、というドキドキはずっとあります」と警戒心を解くことはできない。ただどんな状況になってもやることは同じ。「攻め方は変えず、パーオン率を上げてパット勝負。チャンスを逃さず入れれば、おのずと4勝目がついてくる」。地の利も生かし、4年半ぶりの勝利を狙う。(文・間宮輝憲)

関連記事