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試合で初採用の“秘策”が「ドンピシャでハマった」 三ヶ島かなの全米女子オープン対策

コースメモを見るのは佐々木裕史キャディで、三ヶ島は一切見ない(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 初日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>
 
今年3月に左ヒザのじん帯を損傷し、患部を保護するためのテーピングはまだ痛々しい。「雨の日は痛いですね。先週は(雨が降った)最終日の15番で棄権しようかと思ったくらい。ここまで来たし気合で乗り切ったんですけど」。そんな状態だが、三ヶ島かなは今大会初日を5アンダーであがり、首位と2打差の3位タイで滑り出した。

ケガから復帰した4月の「KKT杯バンテリンレディス」以降は、2週前の「リシャール・ミル ヨネックスレディス in 朝霧」をスキップしただけで、ほぼ休まず連戦している。これに加え3週前の「リゾートトラスト レディス」後に行われた「全米女子オープン最終予選」にも参加。1日に36ホール+プレーオフ2ホールを戦い、7月6日からペブルビーチGL(カリフォルニア州)で行われる本戦チケットも手にした。
 
そしてこの予選会から、三ヶ島にはある変化が。「試合では初めて」ヤーデージブックを持たずにプレーしている。「目の前の状況に合わせてゴルフをしている感じ。佐々木さん(佐々木裕史キャディ)にピンまでの残り距離や風、エッジまでの距離を聞いて、あとは打つだけ。それがドンピシャでハマって、試合でもやってみようと。サントリー(13位タイ)もよかった」。三ヶ島いわく、「自分のなかで邪魔していた情報が多かったんだなってことも感じます」。さらに「ゴルフが楽しいなと思える。何年も回ってるコースも新鮮に感じられます」という効果も実感する。これは全米女子オープンでも継続していくつもりだ。
 
そして全米対策として最も大事なポイントとして「体調管理」を挙げた。三ヶ島は2017年に「メニエール病」と診断され、めまいや耳鳴りなどの症状と今も戦っている。前週に行われる「資生堂 レディス」に出場後、即渡米し全米に臨む…という強行日程も頭をよぎったが、「万全でゴルフができる状態で準備したい。行くからにはしっかりやりたいので」と、そこをスキップしコンディションを整えていく。「(資生堂は)4日間大会でポイントも高いし、コースも好きなのでもったいないけど…」という思いはあるが“封印”。世界最高峰のメジャーでの活躍を目指し備えていく。
 
あとはアプローチのバリエーションを増やしたり、ソールを削ってもらい自分仕様に仕立ててもらったアイアンを携え渡米するつもり。ヤーデージブックを持たないため、「周りばっかり見てればいい」と本番では美しいペブルビーチの景色も“満喫”できそうだ。
 
その大舞台へ弾みをつけるため、今週、そして来週の国内ツアーでも結果を残したいところ。「しっかり休んでしっかり楽しんで、オンオフもきっちり」。胸を躍らせながら、ここからの数週間を過ごすことになる。(文・間宮輝憲)

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