飛ばし屋の先輩から好影響 “曲げてもOK”な内田ことこが悪天候で急浮上
<資生堂 レディスオープン 3日目◇1日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>
29位タイからスタートした内田ことこがこの日のベストスコアタイとなる「68」をマークし、首位と3打差のトータル4アンダー・7位タイと優勝戦線に浮上した。
もともとはミスを引きずり、不調になると長引くタイプだったが、ある先輩プロの影響で「ティショットが曲がっても気にならなくなりました」。3日目は出だしの1番でボギーを叩く嫌なスタートだったが、引きずることなく、しっかり巻き返した。
この日は途中25分の中断になるほどの強い雨に見舞われたが、「雨は嫌いだけど、苦手じゃないです。やることが多くて面倒くさいだけ。土砂降りになる前の風が強い時間帯の方が難しかったです」。
雨が強くなったのは内田がハーフターンしたあたりから。10番パー4で6メートルのバーディパットを沈めると、13番パー5では3打目を1メートルにつけてバーディ。14番プレー中に中断となったが、いい流れが途切れることはなく、16番パー5では7メートルのスライスラインを読み切り、この日5つ目のバーディを奪った。
身長159センチと決して大柄ではないが、ドライビングディスタンスはツアー15位(249.11ヤード)と飛距離が出るタイプ。一方でフェアウェイキープ率は74位(60.88%)となっている。以前はティショットを曲げる度に何が悪かったのかを考え込んでいたが、同じマネジメント会社、同じ担当マネジャーという縁で仲良くなった飛ばし屋・山路晶と一緒に過ごすうちに考え方が変わってきたという。
「晶さんは私と同じぐらい曲がるけど、全然気にしていないんですよ。それを見習ったというか、自然と影響を受けた感じです」。4歳年下の、聞きようによってはちょっと失礼な発言にも山路は大笑い。「そうですか。いい影響なんだったら良かったです」。そのスイングと同様に豪快な性格。まったく気にしている様子はなかった。
次週は地元・北海道でのツアー開催とあって、久々に愛犬のマル(9歳)、サボ(1歳)と会えるのが今週の内田のモチベーション。「ブリヂストンレディス」で今季唯一のトップ10入り(8位タイ)を果たした時も、大会後、1カ月ぶりに実家に帰るという、今回と似たようなシチュエーションだった。
「ショットの調子は悪くない。引き続きバーディチャンスを作って、パットも迷わずに打っていければいいかなと思います」。上位は優勝経験が少ない選手ばかり。最終日もミスを引きずることなくプレーすることができれば、初優勝を狙う内田にもチャンスが巡ってくる可能性は十分にありそうだ。(文・田中宏治)
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