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林から果敢に狙う? それとも安全にレイアップ? コースを離れれば答えは簡単だった

身の丈に合ったプレーができるかどうかもゴルフの技術の一つ。上級者ほど、自分にできることを考えてプレーをしているが、アベレージゴルファーの多くは、できないことをやろうとして大失敗してしまうケースが多い  イラスト/タカセマサヒロ

まずは質問です。ボールが林の中に入りました。木と木の間を上手く抜けてくれればバーディが取れるかもしれませんが、その確率は10%。もし失敗すれば、確実にダボ以上になってしまいます。

一方、安全にフェアウェイに出せばバーディの確率はほぼゼロになりますが、上手くいけばパー、最悪の場合でもボギーで上がれる。あなたならどちらを選びますか?

私はセミナーでこの質問をよくするのですが、ほとんど人は後者を選択すると答えます。誰も無謀なことをしようとはしないのです。

しかし、質問を変えて、「過去、前者を選んだことがある人は?」という聞き方をすると、ほとんどの人が手を挙げます。皆さんの答えも同じではないですか?

今これを読んでいるとき、皆さんは冷静です。だから正しい判断を下せます。しかし、ラウンド中となるとそうはいきません。「ひょっとしたらバーディを取れるかも」という悪魔のささやきが聞こえてきて、無謀なショットを選択してしまう場合が多いのです。

このような事態に陥るのを防ぐためには、常に等身大のプレーを貫くことが大事です。よく、“身の丈に合ったプレー”などと表現されますが、まさにそのこと。自分の身の丈に合ったプレーはどちらなのかを考え、プランを立てることが大事です。

また、“身の丈”を考えるときは、調子が悪いときの自分が本当の自分だと考えることも必要です。

たとえばドライバーが真っすぐ飛ぶときもあれば、左右に曲がるときもある場合、後者が自分の身の丈だと考えましょう。そうすれば、多少左右に曲がっても、「いつもどおり」という受け止めができ、パニックになることもありません。

ゴルフでは身の丈に合ったプレーを心掛けることが、スコアアップにつながるのです。

解説:児玉光雄
こだま・みつお / 追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員

※『アルバトロス・ビュー』860号より抜粋

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