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山下美夢有が妹・蘭さんと初タッグ「『どこ打ってんねん』とか言ってくる」

山下美夢有(左)は妹・蘭さんとのタッグで箱根決戦に挑む(撮影:上山敬太)

<CAT Ladies 事前情報◇17日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

昨季の年間女王・山下美夢有は15歳の妹・蘭さんをキャディに今大会へ臨む。今季も女王争いの先頭を走っているが、現時点で未加算の先週の海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)のポイントを含めると、すでに同大会3位の申ジエ(韓国)に逆転を許している。それでも、山下は「まずは自分のゴルフを考えて、もっとレベルアップしていきたい」。し烈な女王争いよりも、自身のプレーに集中する。

海外メジャーから帰国してすぐの参戦。ただでさえハードな日程で今大会を迎える山下だが、会場入りする予定だった16日には台風の影響で新幹線が止まり、名古屋で足止めを食ってしまった。「いつ運転再開するか分からなかったので、名古屋から車で移動しました。結局、着いたのは夜の8時とかで、前夜祭にも間に合いませんでした」。どう考えても疲れているはずだが、「少し時差ボケだったんですけど、それも取れてきました」と体調面の不安は口にしなかった。

妹の蘭さんがキャディをするのは今大会が初めて。「妹が一度やってみたいと言っていて。夏休みに入っているし、ここかなと思いました」。同伴競技者に迷惑をかけないよう、この日のプロアマではキャディとしての立ち回りをアドバイスしながらのラウンドだったが、「『どこ打ってんねん』とか言ってきます」。妹はなかなか口うるさいキャディのようだ。

驚くのは、奈良育英高1年でゴルフ部に所属する蘭さんの腕前。山下は「今年ゴルフを始めたばかりなんで、スコアとかは全然です。口だけですね」と話したが、本人に話を聞くと「ベストスコアは74です」。実質ゴルフ歴半年ということを考えれば、かなりの急成長ぶり。長女は年間女王、大学生の長男・勝将はAbemaツアー(男子下部ツアー)でアマチュア優勝という環境では、これでも「全然」と言われてしまうのだろう。山下家、恐るべしだ。

今大会後もメルセデス・ランキングでトップを維持するためには優勝が必要だが、まだまだ女王争いを意識するような時期ではない。今大会の目標を問われても、いつもと変わらず「チャンスが来た時にバーディパットを沈められるようなゴルフがしたいです」と話した。もちろん、いつも通りのプレーができれば、上位に絡んでくる力の持ち主。今週は妹の前で女王らしいゴルフを見せる。(文・田中宏治)

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