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激ムズコースで「68」 注目ルーキー菅楓華が見せた底知れぬポテンシャル

首位から最終日を迎えるルーキー・菅楓華(撮影:福田文平)

<YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament 2日目◇5日◇琵琶湖カントリークラブ 栗東・三上コース(滋賀県)◇6482ヤード・パー72>

この18歳はやっぱり、ただ者ではない。

スティンプメーターで11フィートの起伏のあるグリーンは乾いた風によって、さらに速さと硬さが増し、左右に振られた厳しいピンポジションが難しさに拍車をかけた。出場120人の平均ストロークが75.1525と激ムズとなった第2ラウンドで、高卒ルーキーの菅楓華が気持ち良くスコアを伸ばした。

6番アイアンでピン左1メートルにつけた8番パー4からの3連続など6バーディを奪い、ボギーは2つ。この日ベストスコアタイの「68」をマークし、22位から一気にトータル4アンダー・首位タイに浮上した。

「簡単なコースではないし、グリーン周りが難しかったけど、きょうは自分のゴルフができました。ショットが良かったし、パットも入ってくれました」

最大の武器となるショットはほぼ完ぺきだった。スタートの1番パー5は残り80ヤードの3打目をピン左1メートルにつけ、9番パー4は残り80ヤードを「入ったと思った」ともう少しでイーグルのお先にバーディ。16番パー5の3打目も残り80ヤードをピンに絡めた。計ったように残した80ヤード。「本当は90ヤードが理想なんですけど」と苦笑したが、この日のパーオン率は1位タイの83.33%と、ショットの精度の高さは群を抜いている。

宮崎・日章学園高3年時の昨年11月に最終プロテストを5位で合格。プロデビュー戦となった3月のレギュラーツアー「Vポイント×ENEOSゴルフ」でいきなり7位に入って注目を集めた。そのときの原動力も、フェアウェイキープ率91.43%で1位となった安定のショット力だった。

レギュラーツアー2試合を経験して迎えたステップ・アップ・ツアーの開幕戦。早くも初Vのチャンスがやって来た。167センチ、60キの均整の取れた理想のアスリート体型に、あどけなさが残る人懐っこいルックス。人気も右肩上がりで、ラウンド後はサインを求める多くのギャラリーの列ができる。はたから見れば練習時間の確保や体のケアなどが気になる長時間のファン対応。それでもルーキーは「大変だけど、お仕事だから」と一人一人に丁寧に対応し、常に笑顔を忘れない。

初Vに王手をかけて最終日に臨む。「ここまで来たら狙います」。有言実行の頂点に立てば、ファンはさらに急増。うれしい悲鳴のサイン会が待っている。(文・臼杵孝志)

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