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圧巻の“石川遼劇場”でギャラリー大歓声 最終日はもちろん「アレを争えるところに」

ガッツポーズで「62」のラウンドを締めくくった石川遼(撮影:鈴木祥)

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 3日目◇2日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

石川遼が1イーグル・7バーディ・1ボギーの「62」と爆発。首位と2打差のトータル11アンダー・3位タイに浮上し、一気に優勝争いに名乗りを上げた。

スタートの1番から“石川劇場”が始まった。ティショットをドライバーでフェアウェイ左サイドに置くと、セカンドショットを1メートル強につけ“おはよう”バーディ。そして3番では残り135ヤード、9番アイアンで放ったセカンドショットはピン手前10ヤードに着弾し、そのままカップインのイーグルを奪った。その瞬間ギャラリーから大歓声が沸きあがり、多くの拍手とともにボールを拾い上げた。その後も勢い止まらず、5番から3連続バーディを奪取すると、12番では20メートルのパットを沈め、14番と17番もバーディ。一気にスコアボードを駆け上った。

「ショートアイアンを持ってから2打で上がれているのが、少し良くなったところ。(グリーン上で)曲がるラインとか下りのラインで、イメージを昨日から修正できたというところですかね」とビッグスコアの要因を分析した。

ただ、自己評価は「90点ぐらいですかね」と満点とはいかなかった。残りの10点は、「悔しいところが2つくらいあるんですけど、そこはまだまだというところで」とグリーンを外した9番と16番のセカンドを挙げた。

9番は、グリーン右手前に切られたピンより左を狙ったつもりが右に曲がり、右手前のバンカーにつかまった。16番のセカンドも「今日一番のミス」と9番アイアンのライン出しショットが思いのほか大きく、グリーン奥までこぼれるジャッジミス。ともにパーでしのいだが、「ほぼボギー、ボギーのマネジメント。スコアカードは『4』なんですけど、自分の中では『5』って感じですね」とそれぞれショットの反省点を挙げ、今日のスコアに慢心しなかった。

首位と2打差で迎える最終日は、中島啓太、蝉川泰果と最終組でラウンド。もちろん、今シーズン初の“アレ”に期待がかかるところだが、「“アレ”ってなんでしたっけ(笑)」とおどけてみせた。

「啓太、拓実、泰果、ヨンハンがいて、僕も並んでいるというか、みんないるっていうのが今年できなかったので、後半で争えるようなところにいたいですね。“アレ”を争えるようなところに」。今年の流行語大賞を受賞した言葉を交えながら、笑顔で会場を後にした石川。上位に役者が勢ぞろいとなり、最高の舞台が整った最終日。最高のプレーで有終の美を飾りたい。(文・齊藤啓介)

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