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初タッグは10年前の同地 キャディが語るブルックス・ケプカの苦悩と復活劇

ケプカとエリオット氏が喜びを味わった(撮影:GettyImages)

<全米プロゴルフ選手権 最終日◇21日◇オークヒルCC(米ニューヨーク州)◇7394ヤード・パー70>

ヒザの故障からくる低迷。苦しむブルックス・ケプカ(米国)の横ですべてを見てきたキャディのリッキー・エリオット氏が、久しぶりの勝利を静かに喜んだ。

ケプカがインタビューや華やかなセレモニーに出席し、表舞台で大歓声を浴びているころ、エリオット氏はバッグの横で冷静にこの数年間を振り返った。

「とにかくヒザが良くなったことが大きいと思う。彼は本当にハードワークをしてきた。よくまた勝てたと思う」。2017年に「全米オープン」を制すると翌年に連覇達成。同年の「全米プロ」にも勝利すると、こちらも連覇を果たした。圧倒的な強さで世界ナンバー1に君臨したが、その後はヒザの故障で成績が低迷した。

ボロボロになったヒザにメスを入れ、徐々に回復。昨夏から「LIVゴルフ」に移籍し、ゆっくりと回復に努めた。そしてLIVで2勝目を挙げた翌週、4月の「マスターズ」で復活の2位。メジャーハンターの異名をとるケプカがまた表舞台に戻ってきた。

「この勝利は彼にとって特別なものになると思う。ケガもあり、年齢も重ねて厳しい状況だった。思うようにプレーができないことに腹立っていた時期もあった。それでもとにかく、彼は自分と闘ってきた」とエリオット氏。間近で苦しい時期を見てきたからこそ、この数年の苦労をねぎらう言葉に重みが宿る。

実は今回のオークヒルCCは、ケプカとエリオット氏がはじめてタッグを組んだ地。10年前の本大会でのことだ。当時ケプカは米ツアー出場が叶わない状態で、欧州ツアーの転戦を始めた頃。予選通過を果たしたものの、70位タイに終わったが、その後もケプカの隣にはエリオット氏がいた。これで、ともに獲得したメジャータイトルは5つめだ。

「とってもスペシャルなことだね」。優勝トロフィーを掲げる誇らしげなケプカ。それを支えてきた男の顔もまた、誇らしげだった。

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