バーディ量産で130位から“優勝戦線”へ急浮上 幡地隆寛の爆発要因は「一目惚れした」パター
<ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 2日目◇26日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
”欧州・日本どっちが勝つか”決戦の2日目、幡地隆寛が5連続を含む8バーディを量産。7アンダー「63」のビッグスコアで130位タイから一気に優勝戦線に浮上した。
バーディ量産のきっかけは朝の練習だった。「東建の3日目、36ホール回って左ヒジ痛めたのもあって療養というか、あまり練習もできていなくて試合勘がなくなりつつあって。初日もイメージ通りの球が出なくて、外してはいけないところにことごとく外してずっとボギーが来ている状態でバーディチャンスが全くなかった。朝練習してアドレスを修正して(未消化の)2ホール残っていたのはすごく良い感じで上がれたので、だいぶ自信になってセカンドラウンドに望めた」。
1番からスタートした幡地は、3番でバーディを先行させると、4番のチップインで連続バーディ。これが起爆剤となりそこから3連続を決めた。「6番は6メートル、他は3〜5メートルくらいを入れたバーディだったので、やっぱりパターが大きいです」とアドレスの修正に加えパターも冴えわたった。
パター好調の要因は「去年の秋に変えたパター」だと言う。「ブレードタイプを使っていたんですけど、あれに変えて自信をもってパッティングできるようになった」と幡地の相棒はスコッティキャメロンのプロトタイプとなる『Phantom T11』を使用。そして特別にセンターシャフトへ溶接し直した、”幡地オリジナル”だ。
「浜松シーサイドのインスタで、(スコッティキャメロン)抽選販売の予告を見て、同じ形のパターを見て一目惚れして注文しました」とスコッティキャメロンミュージアムが併設されている浜松シーサイドゴルフクラブ(静岡県)のインスタグラムの投稿を目にしたことがきっかけで、同型を注文。「センターシャフトが元々ないので、作り直したりで、3カ月待ちました」と”相棒”とのエピソードも教えてくれた。
2日目に爆発して見せた幡地は海外志向が強い選手。「一番行きたいのはアメリカです。ずっと目標にはしていたので、行くルートがいま日本のツアーだと世界ランキングを上げにくかったり、道がやっぱり狭いというか。複数年こっちでシード持っているタイミングで、QT受けに行ったりできればなって」と積極的に海外の試合に出場している。3月にはアジアンツアーとオーストラレイジアPGAツアーの共催大会となる「ニュージーランドオープン」でアジアンツアー初優勝を果たした。
ただ、「以前はアジアンツアーからDP行けたじゃないですか、LIVでなくなっちゃったみたいですが。ニュージーランドで勝ったときにそれがすごく嬉しくて、よっしゃー! って思っていたら『ない』と言われて、がっかりしました」とこの優勝の特典では欧州ツアーへの資格を手にすることができず、手放しでは喜べなかったこともあり、今大会での優勝で欧州行きの切符を手にしたいところだ。
「とりあえず賞金稼ぎたいですね(笑)。あと2日残っているなかで意識してもしょうがないので、まずは明日、今日と同じ…とまでは言わないですがしっかりミスを修正できるように、良いゴルフができるようにしっかり練習したいなと思います」と笑顔できょうのプレーを振り返った幡地は、海外への扉を開くためにも、練習へ向かった。(文・齊藤啓介)
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