逆転&連覇かかる山下美夢有は「淡々と自分らしいプレーを」 5打差を追いかける選手に意気込みを聞いた
<宮里藍 サントリーレディス 3日目◇10日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6513ヤード・パー72>
初日から首位を独走する岩井千怜は、トータル19アンダーで最終日へ。後続との差は5打と大きなリードをもって最後の18ホールを迎える。
逃げ切りを図るが「5打差はあるけど、ゴルフは何があるか分からない。一打に集中して、アンダースコアを出せるように頑張りたい」とまずは自分自身のプレーに集中。3日目は終盤の16番、18番でボギーを喫して「悔しさが大きい」と残念がったが、「またあしたバーディをたくさん獲る気持ちで頑張りたい」と気持ちを切り替え、自身初の完全優勝をねらう。
その岩井を追いかけるのは“女王”山下美夢有。6バーディ・1ボギーの「67」で回ったが、その差を縮めることができないまま、トータル14アンダーで最終日を迎える。「ティショットは曲がっているけど、セカンドはいい位置につけられている。ティショット次第でリズムも良くなってくると思う」と、3日間で78%を超えるフェアウェイキープ率にさらなる精度を求める。
昨年は、最終組のひとつ前の組でじわりじわりと差を詰め、4打差を逆転して優勝。今年は最終組に入り、直接対決を展開する。「淡々と自分らしいプレーができるように。あしたが最後なので思い切り頑張りたい」と、自身初となる“大会連覇”を目指す。
同じく最終組入りした申ジエ(韓国)は、「別のコースで回ってるのかな、と思うくらい伸ばしている。このコースでこのスコアがでるのは、本当にすごいなと思います」と岩井のスコアに目を丸くする。予選ラウンドは岩井のひとつ後ろ、3日目はひとつ前の組で回っていたが、「バーディを獲ったときの歓声がたくさん聞こえてきた」と振り返った。
最終日は雨の予報。「雨の日は試合の勝負も大事だけど、自分のなかでの勝負も大事」と、まずはベストを尽くすつもり。「きょうは目標(5アンダー)を達成できたので、あしたもその流れでできるように頑張りたい」と意気込みながら、「ゴルフは何がおきるか分からないから…」と“元世界一”は笑う。
同じく5打差2位タイにつける脇元華は伸ばしあいの戦いに「スコアも結構動くと思うので、しっかり一打一打集中していきたい」と見据え、その背中を追いかける。3日目に「65」を叩き出して5位タイに浮上した木村彩子は、首位と7打差に「自分のプレーをして2位争いもできたらいい」と、優勝者と2位に与えられる海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)の出場権もモチベーションのひとつとして戦う。「行ってみたいと思うし、自分で権利を勝ち取れるのは名誉あること。狙っていきたいです」とその座を虎視眈々とねらう。
岩井が逃げ切るか、山下やジエ、脇元らがその背中を追い越すか…。最後の最後まで目が離せない。(文・笠井あかり)
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