R・マキロイがP・リードを1打差で下して勝利 ライバル論争に終止符!?
<ヒーロー・ドバイ・デザートクラシック 最終日◇30日◇エミレーツGC(アラブ首長国連邦)◇7428ヤード・パー72>
悪天候によるマンデーフィニッシュとなったDPワールド(欧州男子)ツアー「ヒーロー・ドバイ・デザートクラシック」。最終日18番パー5、約4メートルのバーディパットを沈めたローリー・マキロイ(北アイルランド)のガッツポーズは、いつもに増して力強かった。先にホールアウトしていたパトリック・リード(米国)とトータル18アンダーで並んで迎えた最終ホール。マキロイはこのバーディで19アンダーとし、リードを見事に振り切って勝利した。
「きょうのラウンドは、これまでプレーしてきた中で、精神的にもっともタフなものの一つだった」とメジャー3勝、百戦錬磨の世界ランキング1位は疲労の声を絞り出した。最終日を後続と3打差の首位で迎えたマキロイだが、一つ前を行く宿敵リードが序盤から好調で伸ばした。リードとは4打あった差も、リードが10番でイーグルを奪うなどその勢いは止まらず、一時は首位を奪われた。
だが、幸運の女神はマキロイに微笑んだ。17番でバーディを奪って迎えた18番。ドライバーショットは池方向へ飛んだが、ギリギリで止まった。フェアウェイにレイアップをして、3打目は4メートルにつけた。外せばリードとプレーオフ、というシーンで、マキロイはこれを沈めてみせた。
「思ったようにプレーができなったところで、感情的になってしまうことは簡単だった。だから誰がリードしているかを考えず、自分のプレーに集中した。本当にそれがうまくできたと思う。きょうはそんな自分の精神力の強さを発揮することができた」と大きく胸を張った。
当然ながら、一騎打ちとなった相手がリードであったことが、マキロイの精神状態に大きな影響を与えた。PGAツアーを去って「LIVゴルフ」でプレーするリードは、大会が始まる前に練習場で久しぶりに会ったマキロイに挨拶に出向いた。だが、マキロイは「彼を眼中に入れる必要があるとは思わなかった」と、挨拶に応えることはなかった。完全無視されたリードは振り向いて帰っていく際に、ティをマキロイたちに向かって放り投げた。この一部始終の映像がSNSで拡散されると“マキロイVSリード”と大きくファンを騒がせた。その後リードは「マキロイは子供じみた行動をとった」と批判した。
LIVゴルフに対抗するPGAツアーの急先鋒でもあるマキロイ。「リードに負けるわけにはいかない」と思ったかどうかは分からないが、「きょう勝てたのは本当に幸運だった」と、力強く突き上げた右手はいろいろな気持ちが込められていたに違いない。(文・武川玲子=米国在住)
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