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1日36Hの短期決戦で全米OP滑り込み! 石川遼の助けとなった女子メジャーキャディのチカラ

頼れる名参謀・佐藤賢和キャディが石川遼の本戦出場に大貢献した(撮影:ALBA)

<全米オープン最終予選 最終ラウンド◇22日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇7090ヤード・パー72>

「全米オープン」の最終予選は、1日36ホールを回る長丁場かつ短期決戦で、ザ・ロサンゼルスCC ノースCで行われる本戦に進めるのは、上位3人のみ。石川遼は前半の18ホールで「64」と爆発し、8アンダーの単独首位で折り返すと、後半の18ホールはパープレーの「72」と耐えて、なんとかトータル8アンダー・3位で本戦へ滑り込んだ。

「後半はボロボロになっちゃって。本当に貯金があって良かったという言葉がそのまんまですね(笑)」と、疲れた顔の中に充実感をのぞかせる。36ホールというと長く聞こえるが、普段は4日間72ホールを戦うことを考えると、短い。石川は「2日間の試合に出ている感覚」でプレーしていたという。

「最初の18ホールで伸ばせるかにかかっている。きょうは意識的に通常よりもアグレッシブにマネジメントしました。当然、リスクを取りました。外したくないところに外れるのを受け入れた。いつもは想定外のところを、想定内にして打っていきました」と積極的にピンを狙う作戦を取った。72ホールなら徐々に調子を上げて優勝争いに絡むことも可能だが、1日36ホールの短期決戦では“出遅れ”は命取りになる。

それに加えて、ラウンド前の朝にロングパットの練習をしていたことも奏功した。「特にきょうはロングパットの練習しかほとんどしていなくて、その練習がこんなにバーディにつながるとは。最初の18ホールで10メートル以上のが3個くらい入りました」という。長い距離から3パットを防ぐことを目的としていた練習が、前半のバーディ量産につながった。

前半は3番パー5でのチップイン・イーグルを皮切りに、7バーディを奪って貯金を作ったが、それが一転、後半は疲れもあって耐える展開に。そこで石川をしっかり支えたのがエースキャディを務める佐藤賢和氏だった。佐藤キャディは、男子ツアーが空き週だった3週間前、同じ茨城ゴルフ倶楽部 西コースで行われた「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で阿部未悠のバッグを担いでいる。

優勝スコアがオーバーパーというメジャーの難セッティングで、どこに外したら寄せづらいかもすべて把握。それが石川の助けとなった。「中日クラウンズが終わった後に1回練習ラウンドに来ましたが、隅々まで記憶できたわけじゃない。ティショットがラフに行って、グリーンを外すことを前提にしたときに、どこに外せばいいのか。コースを知っている人が近くにいるとすごく助かる。後半耐えれたのは佐藤さんからの情報があったから」と話す。

前半はリードして折り返したが、後半は周りのスコアがわからないなかで「10アンダーまでいきたい」とイメージしていた。最後は結局トータル8アンダー。もし1打落としていれば、トータル7アンダーで並んだ5人でプレーオフというところだった。「最終的に1打、2打を争う展開になった。その1打、2打というところに大きく貢献してくれました」。キャディのチカラが石川を2年ぶり7度目の大舞台へと引き上げた。(文・下村耕平)

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