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「何でそんなにゴルフがいけないのか?」令和のいまだから考えてみる

公園や河川敷など、以前はゴルフ禁止の看板だけが多くみられたが、現在では様々な禁止事項が盛り込まれている

コロナ禍がきっかけになって始まった令和のゴルフブームで、ゴルフコースは人で溢れています。ブームの中で、ゴルフを始めようとしている若者に聞かれました。「ゴルフって、ちょっとダークなイメージがあるじゃないですか? 大丈夫なんですか?」ゴルフをしない人が持つゴルフのイメージは、今でも良くない(かなり変わってきているようですが)のかもしれません。

金持ち、政治家、偉い人たちの悪趣味なお遊びから始まって、暴力団の社交場、賭けゴルフという博打行為が行われている場所、悪人の溜まり場というイメージは、以前よく耳にしました。

禁止されている公園や河川敷で素振りしたりする非常識オヤジが危ないとか、駅のホームでスイングしていたおじさんの傘に当たって痛かったのに、謝罪がなかったとか。また最近ではゴルフ以外にも、サッカーや野球、バーベキューにドローンなど、河川敷や公園での禁止・迷惑行為と明記された看板の項目は、昔に比べ増えているようです。

さらに行動から悪人を想起させるパターンもあります。
その最たるものは、災害時や緊急時に、ゴルフをしていたとは何事か、と追求された大臣たちです。こうなると完全にゴルフはいけないこと、というイメージが刷り込まれてしまいますよね。

まだあります。休日なのに家族サービスをパスして、ゴルフに出掛ける最悪なパパ(これは昭和のイメージでしょうか?)、不倫カップルや浮気の温床がゴルフコースというイメージもあり、家族にとってもゴルフは敵ということのようです。

このようにゴルフをしない人が抱く「ゴルフは悪」というイメージを挙げ出すとキリかありません。特定の個人がダメ人間であることを隠さずに剥き出しにしてしまう、というところがゴルフにはありますので、悪行や愚行が目立ってしまうのは、ある意味しかたがないのだと思いますが、別にゴルフそのものが悪いわけではありません。

そもそもゴルフが悪く思われる最大の理由は、ゴルフが面白すぎるから、といってもいいかもしれません。たしかに夢中になっている人を見れば、少し怖い感じはしますね。そして、ゴルフの懐の大きさというか、守備範囲の広さも特徴です。

ゴルフをプレーするという行動には、単にボールを打ち、ホールを重ねるだけでなく、様々なことが含まれてしまう。最近ではまったく推奨されませんが、喫煙しながらラウンド、お酒も飲めて交流がはかれるなど、通常ならどこかの酒場で酒を酌み交わすしておこなうようなことさえも、ゴルフには含まれてしまう。

何でもかんでも受け入れてしまうのがゴルフの特徴なのです。大金持ちも貧乏人も、ゴルフの前ではゴルファーに過ぎません。差別も、区別もないのです。世界中の誰とでも一緒にプレー出来るようにゴルフは時間をかけて育てられました。国籍も、言語も関係なしに、一緒にプレーできるゲームは、ゴルフしか存在しないと言っても過言ではありません。

ゴルフをしない人に向けて、ゴルフは本当は悪くないのです、と説得することに力を入れたこともありましたが、今は、その必要性をあまり感じなくなりました。ゴルフを始めさえすれば、その面白さと素晴らしさは共感できますし、マイナスからのスタートのほうが、ゴルフの良さを強く共感できます。

不安がっていた若者には、「ゴルフは大丈夫!」と強く伝えたのです。

(取材/文・篠原嗣典)

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