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「練習できることは伸びしろに」 渋野日向子は1時間半の“居残り練”

渋野日向子(左)は予選落ちとなったラウンド後、青木翔コーチとともに居残り練習に励んだ(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 2日目◇9日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6513ヤード・パー72>

2日目のラウンドを3オーバーの「75」で回り、トータル1オーバーで予選落ちが決まると、渋野日向子は練習場に直行した。「ショットもボロボロだったし、グリーン上も全然ダメだった。いいとこなしでしたね」。今季から再タッグを組む青木翔コーチとともに、黙々と球を打ち続けた。

この日のフェアウェイキープ率は14ホール中9回だったが、パーオンできたのは11ホール。左右に大きく散り、チャンスメイクに苦しんだ。父の勧めで先週の日曜日から握り方を、左手人差し指と右手小指を絡める『インターロッキング』から野球バットを握るように持ち、指を絡めない『ベースボールグリップ(テンフィンガー)』に変更。初めて打ってからまだ1週間も経ってはいないが、それを言い訳にすることはできない。

途中離脱となったこの2日間を振り返って、手応えについては「なかったかな」と切り捨てる。それでも「振れるので、それだけ練習もできるところもある。直すところはたくさんあるけど、伸びしろと思ってやりたい」。左手を痛めていたことで、これまでは練習不足も口にしていたが、握り方の変更で負担と不安が軽減されたことにより、特打を行うことができるようになった。

「やっていこうかなというかやらざるを得ないので、しっかり練習してものにしないといけない」と、新たな試みは長期的スパンで取り組んでいくつもり。青木コーチも「いろいろな球が出てくるのは相談しながら」と話し、居残りのレンジではスイング動画を撮影して話し込むなど「どういう解決法かは、ふたりで探っている段階」だという。

初日に「70」、2日目に「75」という評価については「きのうは結果よかったけど、きょうは良くなかったというのはプラマイゼロ。どんな状態であれ、結果を出さないといけないからね」と“切り捨てる”のはコーチも同じだった。それでも「練習できるようになったという意味では一歩進めたかな」と明るい言葉も出てくる。

居残り練習はおよそ1時間半、球数にして3カゴに及んだ。「本当に久しぶり、すごい練習長いんだよ」(青木コーチ)。オレンジ色に染まった空は暗くなりはじめ、午後7時前にコースを後にした渋野。試行錯誤を繰り返しながらも新スイング完成については「近道になったと思う」(渋野)と前向きな言葉もあった。まずはまもなく迎えるメジャーシーズンに向けて練習を重ね、臨戦態勢を整えていく。(文・笠井あかり)

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