石川遼のアイアンに『S』の刻印 7番・8番を“2本ずつ”投入の謎

難関・宍戸に挑む石川遼。全米オープンへの試金石にもなる一戦だ。(撮影:ALBA)

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 事前情報◇31日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7430ヤード・パー71>

6月15日に開幕を迎える「全米オープン」。日本最終予選会で本戦への切符をつかみとった石川遼にとって、試合の中で新しいクラブを試せるのは、今大会と、次週の「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」の2試合しかない。

そんな石川のキャディバックをのぞいてみると、最終予選会直後に話していた通り、『APEX UW(ユーティリティウッド)』の4番が入っていた。4番UTは昨年もバッグに入れていて、そこまでテストの意味合いは強くない。最も気になったのは、7番アイアンと8番アイアンが2本ずつ入ってたことだ。見分けやすくするためか、一方には『S』の刻印がある。

その理由について石川は「短いクラブになっていけばいくほど、スイングの円自体が長いクラブに比べて短くなる。今までみたいにすごく大振りしているわけではないので、長いクラブみたいに間が取れなくて、力感がボールに伝わらない。6番の長さになってくると割と力感が出せるのに、7、8番はフルショットしきれていない。自分でしっかり打つ前にボールに当たっちゃっているという感覚があった」と語る。

スイング改造でトップをコンパクトにしたこともあり、7番から飛距離が出づらくなったのだ。そこで今回、7番と8番の飛距離を出すために、ロフトを1度ずつ立てたクラブを試している。「S(の刻印)はストロングという意味です。あした入れるかはわからないですけど、全米オープンというよりは今後も見据えてですね」。

石川はこれまで今大会に9度出場して、予選通過5回、最高順位は2010年の15位タイとやや苦手としている。新セッティングで宍戸ヒルズをしっかり攻略し、全米オープンへの弾みをつけたい。(文・下村耕平)

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