• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • シード落ちから復活に向かう柏原明日架 2つの“お初”で挑む23年の目標は?

シード落ちから復活に向かう柏原明日架 2つの“お初”で挑む23年の目標は?

柏原明日架が復活を誓う(撮影:福田文平)

2015年以来守ってきたシード権を喪失し、今年再起を図る柏原明日架。今年は初めてプロコーチと契約することとなり、スイング部分を森守洋コーチから学ぶこととなった。メンタルやマネジメントの部分は父・武道さんが担当。大きな変化を迎えた状況で、23年シーズンに向けて調整を行っている。

昨年はスイングに迷いが生じた。森コーチにアドバイスを求めたのが11月の「伊藤園レディス」。「今まで感覚的な部分でやってきたところを見つめ直すきっかけを森さんからもらいました。自分の頭の中がグチャグチャだったのを整理できたと思います」。そこから技術的な点で、森コーチには厚い信頼を寄せていたようだ。

そういった出来事が重なり契約へとつながった。今年は切り返しに重点を置いてスイング改造を行っている。クラブが寝て下りてしまうと、振り遅れて右にプッシュが出る。「森コーチには、グリップを飛球線後方に向けて下ろすように手元を動かすと、オンプレーンにクラブが下りると教えてもらい、そこだけを重点的に練習しています」。スイング改造への手応えを少しずつ感じているようだ。

また、昨年はスイング以外の点でもいろいろ気づきがあった。「昨年前半はかなり苦労しました。調子はいいはずなのに、技術的に向上したのに21年後半につかんだものの火が消えかかっていました。成績が出なくて悩んでいるときに、父が初めて、私の試合をずっと観戦する時間を作ってくれました。指摘されて気づきがあって、頑張っている方向性が悪かったりしたことが分かり、収穫は多かったですね」

今までは技術さえしっかりしていれば、ツアーで勝てると考えていた。バーディを多く獲ればいい、ボギーは仕方ないと考えていたのだ。だが、現実は違っていた。父にメンタルやマネジメントのコントロールができていないことを指摘され、それが間違っていたことに気付かされたという。

「今年は、ボギーを打たないゴルフをしたいです。パーキープ率を高めたいです。パーオン率が高いプロは、メルセデス・ランキングの上位にいます。山下美夢有プロ、稲見萌寧プロもそう。簡単にボギーを打つプロは上位に行けません。グリーンを外したり、3パットしたり、いろんな原因があります。また、勝つプロのメンタル術を取り入れるようにしています。試合中継やYouTubeなどをヒントに、父から提案してもらって取り入れています」

今年は、QTランキング19位で前半戦出場権を獲得。目標は、早めにツアー3勝目を挙げることだという。勝つための準備をこのオフに行えているという実感がある。

「リランキングは考えていません。コーチ、両親の支えがあってやれている状況を感謝したいです。技術的な部分は森コーチ、メンタルやマネジメントは父に教えてもらっているので、早く優勝して報告できたらいいですね」

これまでプロコーチに習った経験がなく、大きな方針転換を行った柏原。優勝カップを手にして、満面の笑みを見せる日を待つことが最大のモチベーションだ。(文・加藤雄一郎)

関連記事