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「これからの時代は…」 上田桃子は悲願のメジャー制覇ならず、未勝利のシーズンに感じたこと 

上田桃子が未勝利に終わった今季を統括した(撮影:福田文平)

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇26日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6497ヤード・パー72>

今年も悲願達成は叶わなかった。上田桃子は今季最後のメジャー大会「JLPGAツアー選手権リコー杯」でトータル2アンダーの12位タイ。初日のボギー・ダブルボギー発進に「出鼻をくじかれたくらい、痛かった」と悔やみながら、残り3日間は「69」、「71」、「70」と赤字にまとめ、初日「76」の出遅れを取り戻して1年間を終えた。

プロ19年目の37歳。通算16勝を誇るトッププレーヤーだが、メジャータイトルの縁がなかなか結びつかない。今季は「ワールドレディスサロンパス杯」3位、「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」20位、「日本女子オープン」8位という結果だった。「メジャーで勝てなかったですけど、いい準備は自分なりにできたし、いつ最後になってもいいと言う気持ちでやっている。精一杯やった結果です」と淡々と振り返った。

今季は春先から調子を上げ、サロンパス杯まではトップ10入りが4回。シーズンを通してみても、28試合に出場してトップ10入りは11回(全体9位)と好成績。全試合で予選通過(うち1試合は棄権)を果たしたが、優勝を掴み切ることはできなかった。

「波が少なかったのは良いこと。でも、短所は確実に上がってきているけれど、長所が突き抜けないと、今の時代は勝てない。5~10年は自分のクセを最小限にする取り組み方をしたけれど、これからの時代は長所が抜き出ていかないとと」

年間女王の決め方が賞金ランキングからポイントによるメルセデス・ランキングに完全に変わってから今年で2年目。「上位に行った時のポイントをどれだけ稼ぐかを考えたときには、いいか悪いかでもいいから、いいときに突き抜けないと厳しいと感じた」という。波が多少あっても“爆発力”が欲しい。未勝利に終わり、ランキング17位につけたシーズンにそれを実感した。

昨年と比較すると、パーオン率68.5783%(36位)→71.0118%(22位)、リカバリー率65.0190%(21位)→68.7366%(5位)など、改善したスタッツも多くみられる。

これからオフに入るが、ハードなトレーニングに意欲を口にする。「若い子たちとやっていると、簡単にボールを曲げてくるし、飛距離を出してくる。年齢を言い訳にできないとするならば、体が疲れないようにするためにも、一番やりたいのは走り込みとかトレーニングですね」。

今年は“自己肯定感”をキーワードに掲げて取り組んできた。「あまり責めすぎずに、物事を肯定する力を大事にしていた。結果は(肯定するのは)難しいけれど、やったことには一生懸命頑張れたと思う」。さらなる進化を求めていくベテランは、来年も若手の壁になっていきそうだ。(文・笠井あかり)

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