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レクシー・トンプソンは「69」をマークも届かず予選落ち 「特別な1週間だった」

はじめての男子ツアーに出場したレクシー・トンプソンは予選落ちとなった(撮影:GettyImages)

<シュライナーズチルドレンズ・オープン 2日目◇13日◇TPCサマリン(ネバダ州)◇7255ヤード・パー71>

5バーディ・2ボギーの「69」の好スコアも予選通過に2打届かなかった。9番ホールをパーで終えると大歓声に包まれたレクシー・トンプソン(米国)。「きょうのプレーをとても誇りに思う」と半分悔しさをにじませながらも、大きく胸を張った。

2日目は第1ラウンドの残り1ホール半を終えて2オーバーから第2ラウンドをスタート。出だしの10番パー4ではボギーとしたが、11番パー4で1.2メートルにつけてバーディ。ここからレクシーの巻き返しが始まった。

13番パー5でグリーン右から1.5mに寄せてバーディ。距離の短い15番パー4(296ヤード)はグリーン真ん中に1オンさせてバーディ。グリーン上も冴えて1番で7メートル、2番も8メートルのロングパットを沈めるとトータル2アンダー、予選通過圏内へ大きく浮上。「バーディが続いているときは、カットラインにとても近くなったと思っていた。でもこの男子選手たちはみなすごいから、カットはどんどんとスコアが変わっていくのは分かっている。だからスイングに集中しようと必死だった」と振り返った。

痛かったのは終盤の2つのバー3。5番パー3(186ヤード)はティショットを右の砂漠に打ち込み1ペナルティ、それでも第3打を1.5メートルにつけてボギーをセーブした。トータル1アンダーは予選カット圏外、残り4ホールでバーディが少なくとも1つは絶対必要な場面だったが、8番パー3(247ヤード)は硬いグリーンでボールは止まらずグリーン奥へ、アプローチも3メートル以上ショートするとこれを決められずにボギー。トータルイーブンパーへ後退した。

最終9番パー5、563ヤードはレクシーには2オン可能なホール。予選通過はこの時点ではトータル2アンダーと予想され、レクシーはイーグルを目指しフェアウェイから2オンを狙っが、このたショットはグリーン左にキックし届かず。いちるの望みをかけチップインを狙った最後のアプローチはカップをかすめて無情にも通り過ぎた。最終ホールをパーで終えると、レクシーの挑戦も終わりを迎えた。

米国女子ツアーでは12年戦ってきた28歳。今季の平均飛距離は270.71ヤードでツアー12位を誇る。初の男子PGAツアーを戦ったがLPGAツアーと一番違うのはピン位置。多くがグリーンの端に切ってあり、「あのピンにボールを止めるのはかなり上から落とす高いショットが求められる。だからどうしても8~10メートルもピンをオーバーして、パーで納めるのが精一杯。コースもグリーンも硬いと予想していたけれど…」とコースセッティングの違いを肌で感じたという。

歴史的快挙とはならなかったが、「ジュニアクリニックでたくさんの子供たちとふれ合えた。彼らがゴルフクラブをこれからも握ってくれるととてもうれしい。私にとっても特別な1週間だった」と笑顔で大会を締めくくった。(文・武川玲子=米国在住)

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