「本場の景色とか見られたら」 古江彩佳は“聖地巡礼”を前に大舞台へ
<AIG女子オープン 事前情報◇8日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
先週の日曜日までディフェンディングチャンピオンとしてスコットランドで4日間を戦いきった古江彩佳は、月曜日に会場入りしすぐに18ホールの練習ラウンドと精力的に調整。さらに火曜日もプロアマに出場してフルラウンドを行い、2日間ですでに36ホールを消化した。
そのなかで驚いたのは、雨の影響でランが出にくいために長く感じた距離と「お花」。コースのラフ地点には、ツツジ科で夏の荒野などに咲く『ヘザー』というピンク色の花が随所に咲いているのだが、その茎は硬く、ボールがはまったら出すのも困難な状況に追い込まれる。英国のコースではよく咲いているものらしいが、「びっくりしました。(入ったら)横に出すだけか、ライによってはアンプレ(ヤブル)かな」と、かわいらしい見た目と裏腹な驚異の障害物は、ただのラフやバンカー以上に厄介な存在にもなる。
コースはフラットで開けているため、リンクスコースのような見た目だが、海の近くではないというどこか不思議な雰囲気。火曜日には雨が降り続いたこともあり、コース全体が重く仕上がった。いわゆる“硬・速”というイメージもある他の全英のコースとは一線を画す。グリーンは大きめだが「しっかり段や、コブもある。その辺り、意識できるところは意識しながら回りたい」と、一筋縄ではいかない。
そんなコースがあるのはロンドン近郊。英国の首都でもあるこの都市を訪れるのは、ひそかな楽しみでもあった。「ハリー・ポッターが好きなので、本場の景色とか色々見られたら」。ファンタジー映画の傑作のファンとしては、どうしても行っておきたい場所というのがその理由。まだ訪れることはできていないため、大会終了後のお楽しみとなる。『キングス・クロス駅』、『レドンホールマーケット』など数多くある“聖地”を巡礼することも計画する。
気分よく観光するためにも、この今季メジャー最終戦をいい形で終えたい。課題は2週前の「エビアン選手権」の時に荒れていたというショット面。「リズムが早い時はミスにつながりやすいので、そこは意識して。先週はテンポを意識しながらやったら良くなったので、しっかり意識して」。精密機械は、生命線の輝きを最大限に発揮できるよう確認を続けていく。
開幕前日の水曜日も9ホールを“おかわり”する予定。「しっかりラウンドができる分、傾斜のショットだったり、ピンの狙いを定めたり」と、ここを最終チェックの場にする。大舞台を前にしても、いつものポーカーフェイスは健在。お楽しみの前に、魔法のようなプレーで、本場のゴルフファンを魅了したい。(文・間宮輝憲)
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