日本ツアーを引退したイ・ボミ 「ここでサヨナラじゃなくて、また会いましょう!」
<NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日◇22日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6495ヤード・パー72>
今大会を持って日本ツアーから引退したイ・ボミ(韓国)が、最終日の22日(日)も元気な姿でコースに登場した。
午前8時50分ごろには、10番ティに現れ、普段から親交がある上田桃子のティオフで“ウグイス嬢“を務めた。「続いてのティオフはツアー通算17勝をマークしています。今大会の2017年のチャンピオンです。怖く見えるけど、めっちゃ優しいお姉さんです。あっ、ZOZO所属、上田桃子!」とアドリブをきかせたアナウンスし、周囲の笑いを誘った。
「めちゃくちゃ楽しかった。私の声でリズムを崩しちゃったらどうしようとか考えたけど、みんなすごい喜んでくれて、いいティショットを打ってくれて、私のいい思い出になりました」とボミは大満足の様子。
一方、爆笑のアナウンスを受けた上田も「あのかわいい声でアナウンスしてくれたので、すごい嬉しかったですし、本当に朝からやっぱりボミって、“人を幸せにする力“があるなって思いました。今後の人生もボミとは何回も会うと思うので、いい思い出が一つ増えて良かったなと思います」とほっこり。二人の友情関係はこれからも続いていく。
その後、午前11時からは、引退記念につくられたギャラリープラザのメモリアルブースで、ギャラリーに向けてサイン会を実施した。とそこに突然、ボミの大親友で、一昨年の今大会で現役を引退したキム・ハヌル(韓国)が全身黒ずくめコーデでサプライズ登場。「なんで来たの?」とボミは大声を上げて喜び、二人はハグをした。
ハヌルは、「ボミは日本で本当に長い間、頑張ってきたというのもわかっていますし、つらい時期のことも知っている。“全身全霊”を尽くしておめでとう、お疲れ様でしたと言いたい」とねぎらった。
試合の終盤は、18番グリーンの観客席へ。優勝した菅沼菜々がウイニングパットを沈めると、ハヌルとともに拍手を送った。さらに「菜々ちゃん、おめでとー!」と叫び、菅沼を祝福した。
そして、表彰式後に行われた引退セレモニーでは、夫のイ・ワンさんと共に深夜1時半まで考えたというスピーチを披露。
「プロゴルファー、イ・ボミは私と皆様が一緒につくりあげました。人間イ・ボミは皆様とつくりあげたプロゴルファー、イ・ボミをこの先ずっと忘れません。皆様は私にとって本当に感動でした。皆様が私に感じる感動は、私も同じように感じた感動です。これからどんな感動が待っているのかとても楽しみです。いつも努力し続けます。思い出してください。信じています。永遠に」。感謝の言葉を会場にいたすべての人に贈った。
セレモニー後、ボミは「試合が終わったときはすごく幸せだったんですけど…今は寂しい。プレーしていたときはすごい幸せだったから…」とポツリ。それでも「これからは、違うところで良い影響を与えられる選手になりたい。ここでサヨナラじゃなくて、また会いましょう!」と最後の最後まで『ボミ・スマイル』を忘れず、13年間戦った日本ツアーに別れを告げた。(文・神吉孝昌)
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