覚えておきたい投資の格言「卵は一つのカゴに盛るな」 ゴルファーには通称“オルカン”がオススメ!?
リタイア後は「夢のゴルフ三昧生活」をもくろむ40代サラリーマンのゴルフ雑誌編集者K。でもそれにはやっぱりおカネが必要だ。美人トレーダー・若林史江さんがすすめるのは、金融初心者でも安全度が高いという積立投資信託だ。詳しく教えてもらった。
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投資信託とはみんながお金を出し合って、数百億円と集まったものをプロが運用し、そこで出た利益をみんなに分配する金融商品のことです。でも、「プロだから上手く運用してくれる」と思わないことは大事。特に日本人は「新しい」=「良い」になりがち。
ーーそれは駄目なの?
投資信託大国の米国では、新しいものには手を出しません。優先させるのは、実績のあるもの。リーマンショック時はどんなファンドでも下がりました。その後にリカバリーして、その前の高値を上回るのが本当のプロなんです。
ーー実績がある投資信託。どうすれば分かるんですか?
ネットで投資信託のチャートが見られるので、基準値の推移もそれで分かります。例えばこの5年間のスパンで見ればコロナショックだし、リーマンショックが2008年なので20年の実績のものならリーマン後の実績が分かります。皆さんも自分の年間スコアを管理して見るように、チャートを管理して見るといいですよ。
リスクの少ないインデックス・ファンドの中では「eMAXIS Slimシリーズ」が断トツで人気。その中でも米国「S&P500」に連動するものは2兆円ほど投資されています。人気は手数料の安さ。毎月購入する“積み立て”では重要なポイントですね。「S&P500」とは主要500銘柄の時価総額を指数化した株価指数です。
ーーすごいですね。
米国はどんな有事でも必ず新産業を作り回復してきました。国が株式市場を意識するため、超長期で見ると米国株は右肩上がり。「何があってもまた上がる」という信用を背景に最近は米国指数に連動した投資信託(例:eMAXIS SlimのS&P500)の預け金が増えています。
ーーなら米国の「S&P500」の銘柄に投資すれば……。
そうともいえません。「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。一つのカゴだけに持つと、転んだときに全部割れちゃいます。投資信託にしても同じ業種や同じ国の銘柄ばかり持つと、一つの企業が転んだ際に全部がダメになるケースがある。一つの銘柄だけでなく業種も国も分けるのが分散投資です。
ーー1つカゴを落としても、別のカゴの自分のお金は残っているわけだ。
インデックス・ファンドでも、米国の銘柄だけ購入すると一つのカゴしか持っていないことになる。そこで安全なものとしていろいろな国の株価指数と連動した銘柄を入れた「オール・カントリー」という商品も最近人気です。安全を狙うんだったら全世界に投資をして、いろんなカゴを持つ「オール・カントリー」(例:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))もオススメですね。リスクが少ないので、老後のゴルフ資金獲得にいいですよ。
【覚えておきたい用語】
eMAXIS Slim:業界最低水準の運用コストを追求する投資信託。「S&P500」や「オール・カントリー」など多彩な商品がラインナップされている
オール・カントリー:全世界(日本を含む先進国・新興国)に国際分散投資ができる投資信託のこと。通称「オルカン」といわれている
■若林史江
20歳で株式投資を始めた元祖・美人トレーダー。近著に『証券口座の開き方から教えます! 投資の学校 1年生1学期』(宝島社)。TOKYO MX『5時に夢中!』出演中。ゴルフ歴23年、ベスト76
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