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悔しいし、苦しかったけど「幸せの絶頂です」 藤田寛之が感じた世界一の戦い

藤田寛之が4日間で得た様々な感情とは?(撮影:ALBA)

<全米シニアオープン 最終日◇2日◇セントリーワールド(米ウィスコンシン州)◇7218ヤード・パー71>

世界一過酷な戦いが終わった。最終ラウンドを2バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「73」で終えた藤田寛之。トータル13オーバーの47位タイという結果は「悔しさが残ります」と振り返った。

3日目までは1番、2番で苦戦したが、「グリーンオンして2パットでいって」とこの2ホールをパーとし流れよくスタートした。すると5番ではこの日最初のバーディ。6番はピンチをボギーでしのぐと、7番でスーパーショットが生まれる。「ショット・オブ・ザ・ウィークですよ」と、201ヤードのパー3で4番ユーティリティを握ると、ピンそばにピタリ。バーディを奪い1アンダーで後半に向かった。

「きょうの前半は楽しかった。ここに打てと言われているところでバーディが獲れて、獲れないにしてもコースから言われたことをやれている自分がいて楽しかった」。1アンダーのスコアもそうだが、各ホールで与えられた課題をこなしていく。それができたときの喜びはひとしおだった。7番は「強く入っちゃうと跳ねて奥に行ってしまうし、意識し過ぎるとショートする。何が良かったかというと球質がよかったです。アプローチはいろんな球を打つけど、ショットも同じなんです。それができました」。

しかし後半は11番でクラブ選択に迷い、ラフから攻めた結果ダブルボギー。そこから流れを失ってしまった。「正確性、ボールのコントロール、すべてが試される舞台。だから世界ナンバー1の大会なんでしょうね。苦しかったです」。スコアを戻すことができずにオーバーパーで終了。1回もアンダーパーで回ることができず、いろいろと感じる大会だった。

「もっといい成績を出せたらいいけど、俯瞰で見たら『楽しいし、かっこいいし、おまえスゴいところでやっているんだよ』って思える。試合に出られるだけでも幸せなのに、世界一の大会に出られるだけで幸せなんです」。もう1人の藤田寛之から見れば、4日間戦い抜いたことは十分評価に値すると同時に「幸せの絶頂ですよ」。また1つ貴重な経験を積んだ喜びは大きい。

「今週はおなかがいっぱいです」と悔しさ、苦しさ、楽しさと様々な思いを抱き帰国。そして今月27日からウェールズで開催される「全英シニアオープン」に向けてコンディションを整え、再びチャレンジの旅へと向かう。(文・高桑均)

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