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厳しい現実…今年の日本女子アマ、日本ジュニア女王も悔し涙 プロテスト合格に手が届かなかった選手たち

六車日那乃は4度目のプロテスト挑戦だったが…。今年も涙をのんだ(撮影:福田文平)

<JLPGA 最終プロテスト 最終日◇3日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇6419ヤード・パー72>
 
今年のプロテストは、高校3年生の清本美波(誉高)がトップ合格を果たした。さらに注目の馬場咲希(代々木高)も2位で“プロ”の肩書を得るなど、トータル5アンダーの19位タイまでに入った21人が来季から日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のツアーで戦うことが決まった。

笑顔で次のステージへ向かう選手がいる一方、悔しさを胸にコースを後にした選手も多いのが“現実”だ。トータルイーブンパー・48位タイで合格に手が届かなかったのは、今年の「日本女子アマ」を制した高校3年生の飯島早織(ルネサンス高)。トータル2アンダーから合格ライン突破を目指したが、最終日は「74」と2つ落とすことになってしまった。
 
普段は明るく、ハキハキと話す飯島も、ラウンド後のインタビューでは涙をこらえることができない。「伸ばしあいで伸ばせないことが多いのが課題です」というのが、この4日間で感じたことだ。「テストに受かることだけを考えていたから、今後のことは考えられない」と、直後は頭も真っ白。それでも「話している間に吹っ切れました」と、最後にはいつもの表情も見せた。
 
苦しいラウンドのなかでも、カメラを向けられるとニコッと笑い、手を振ることは忘れない。これについては「ゴルフが悪くて嫌な顔をするよりも、ツアーで活躍した時のことを考えて、何があっても笑顔で応じたいと思いました」と、その理由を明かす。「なりたい自分になるため、みんなに笑顔を見せたい」。この後も明るく、来年の合格だけを見据えてプレーするつもりだ。
 
4度目のプロテスト挑戦となった六車日那乃(日本ウェルネススポーツ大)も合格に3打及ばず。「絶対に5アンダー出そう」と意気込んだ最終日は、12番までに3つ伸ばし圏内突入に近づいていた。しかし15、16番の連続ボギーで失速。千葉・麗澤高時代にはJGAナショナルチームでも活躍した21歳は、声を詰まらせながらも「1年間やってきたことに悔いはないです。今までで一番強い気持ちを持ってできたんじゃないかと思います」と話した。来年こそ歓喜の涙を流したい。
 
このほかにも、今年の「日本ジュニア」優勝、「日本女子オープン」ローアマの高校3年生・中村心(ECC学園高)や、今年の日本女子学生女王・坂下一葉(いちよう、大阪学院大2年)、22年「日本女子アマ」覇者の寺岡沙弥香といった有力選手も厳しい現実に直面した。
 
また、すでにツアープロとして戦う選手の姉妹も5人出場したが、いずれも合格をつかみとることはできなかった。ツアー通算1勝のセキ・ユウティンを姉に持つセキ・ユウリ(中国)は、トータル3アンダーの29位タイ。それでもラウンド後には「攻めてバーディも獲れたけどミスもあった。(「75」だった)2日目がやっぱり悔しい。全体的にレベルアップして来年は受かるように頑張りたいです」と前を向いた。
 
【合格できなかった主な選手】
22位T(-4):寺岡沙弥香(22年日本女子アマ優勝)
29位T(-3):セキ・ユウリ(セキ・ユウティンの妹)
35位T(-2):六車日那乃(元JGAナショナルチーム)
41位T(-1):神谷もも(神谷そらの妹)
48位T(E):飯島早織(23年日本女子アマ優勝)
48位T(E):高久ゆうな(高久みなみの姉)
58位T(+1):佐渡山理莉(元JGAナショナルチーム)
61位T(+2):中村心(23年日本ジュニア優勝、日本女子オープンローアマ)
68位T(+4):山口すず夏(米国女子ツアー出場)
68位T(+4):橋添香(橋添穂の姉)
76位T(+6):坂下一葉(23年日本女子学生優勝)
79位T:(+8):立浦琴奈(立浦葉由乃の妹)
※82位T(+6):荒木優奈(22年日本ジュニア優勝、JGAナショナルチーム)
※82位T(+6):手塚彩馨(JGAナショナルチーム)
※は最終日に進めず

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