• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 大会史上初の予選最下位から優勝へ 金谷拓実が『64』で5差急浮上「日本オープンは何が起こるかわからない」

大会史上初の予選最下位から優勝へ 金谷拓実が『64』で5差急浮上「日本オープンは何が起こるかわからない」

予選最下位から急浮上。金谷拓実が大逆転劇を巻き起こす(撮影:米山聡明)

<日本オープン 3日目◇14日◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7315ヤード・パー70>

「本当にいいラウンドができたと思います」。2日間5オーバー・59位タイと薄氷の予選通過となった金谷拓実は、“ムービングデー”でこの日のベストスコアとなる7バーディ・1ボギー「64」をマークして急浮上。首位と5打差のトータル1アンダー・19位タイで最終日へ向かう。

開幕前から「日本一のトーナメントだと思うので、優勝したい」と強い気持ちで臨んだが、初日はショットが乱れて「75」の81位タイと出遅れた。2日目はフェアウェイキープ率100パーセントと持ち味を発揮したが、上がり4ホールで3つのボギーをたたいて「70」。カットライン上と厳しい位置だったが、辛くも59位タイの“最下位”で予選通過が決まった。

「昨日はティショットでフェアウェイはよくとらえていたんですけど、そこからのアイアンショットが良くなくて…」と2打目以降がブレーキ。ホールアウト後にガレス・ジョーンズコーチと修正に励み、「フェースローテーションが大きくなることがあったので、それをしないように体の動きを確認した」としっかり分析して決勝ラウンドに備えた。

この日はその修正がハマった。フェアウェイキープ率は92.857%で1位タイ、パーオン率は83.333%で4位タイの数字を残した。難度の高い11番で5メートル、12番で3メートル、13番で1メートル強につけて3連続バーディを奪うなど、金谷らしさが戻ってきた。

予選最下位での通過だが、あきらめる気持ちはさらさらなかった。「初日のプレーはすごく残念だったんですけど、昨日はぎりぎり(決勝に)残った。最後まで何があるかわからないし、とにかく自分らしいプレーを心掛けてやりました」とビッグスコアをたたき出した。

「これまでもひっくり返る試合も多かったと思うし、とにかく明日も変わらず、自分のプレーをやるだけです」。日本オープンでは2019年大会を制したチャン・キム(米国)が最終日8打差を逆転。また07年の谷口徹、12年の久保谷健一の6打差逆転という記録もある。5打差を覆すのは不可能ではない。

また、予選最下位通過からの優勝は、国内ツアーでは1976年「東海クラシック」の青木功、1993年「日経カップ」のサムソン・ギムソン(シンガポール)、01年「ダイヤモンドカップ」の伊澤利光が果たしている。金谷が逆転優勝を遂げればツアーでは4人目、日本オープンでは史上初の快挙でもある。

スタート時は9打あった首位との差は、5打まで縮めた。「明日ももうちょっとがんばらないといけないと思うし、本当に最後まで何が起こるかわからないのが日本オープンだと思う。明日も自分らしく、アグレッシブなプレーをしたい」。逆転Vへの意欲を見せた。

関連記事