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四姉妹で分かち合った初Vの歓喜「練習が実ってよかったね」 吉本ひかるが“二人三脚”の姉と涙の抱擁

吉本ひかるは家族全員で初優勝のよろこびを分かち合った(右から3番目が百花さん)(撮影:上山敬太)

<明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 最終日◇12日◇土佐CC(高知県)◇6228ヤード・パー72>

2ホールのプレーオフまでもつれこんだ激戦を制した後、吉本ひかるはコースで初優勝を見守った家族とよろこびを分かち合った。これまで妹のキャディも務めながら、ツアー生活を支えてきた姉の百花(ももか)さんもラストシーンに目を真っ赤した。

最終日もロープ外ながら、プレーをする妹と“一緒”にコースを歩いた。「崩れてはないけど伸ばしてもない。そこで9番(の2打目)でシャンクしてしまって。ただそこからちゃんと盛り返して、今までやってきたことが実を結んでくれたと思いました。よかった」。ハラハラドキドキの時間をこう振り返る。

ここ2年ほど不振に苦しんでいた吉本は優勝会見で、一番つらかった時期について「2021年のNEC(軽井沢72ゴルフトーナメント)くらいから悪くなって、それからずっと。(同年の)QTでなんとか38位になったけど、この頃が…」と明かした。その時期のプレーについて姉も、「パー4の2打目で3番ウッドを握って、5メートルのパーパットをなんとか沈めるような状態でした」と話す。そして「とにかく5年間は頑張ってみよう」と姉妹で誓い合ったことを懐かしんだ。

苦しい時期もコース内でバッグも担ぎ、ともに戦ってきたパートナーは、今週はキャディ業務こそ“空き週”になったが、しっかりと初優勝を見届けることができた。プレーオフ2ホール目で勝負を決する左奥9メートルからのバーディパットを決めた時は、「入ると思わなくてビックリしました」と驚きが勝ったようだが、すぐにその感情が涙に変わった。

復調を果たした妹には「練習が実ってよかったね」という言葉を送る。吉本より1歳年上の百花さんも、かつてはアマチュアゴルフの競技者だったが、現在はティーチングプロを目指して講習などに参加している。2試合後の「アクサレディス」(24~26日、宮崎・UMKカントリークラブ)ではキャディに“復帰”し、今季も「ほぼ担ぎます」と妹をすぐ横で支える。「次は一緒に頑張りたいですね」と、姉妹優勝を思い描く。

会場には両親、祖母のほか三女のあゆさん、四女の果帆(かほ)さんと四姉妹も集結。会見で家族に伝えたいことを聞かれた吉本は、「本当に悪い時もすごい励ましてくれて、感謝の気持ちしかないです」と再び言葉を詰まらせた。優勝カップを持った二女を中心に撮影した家族写真が、これからもたくさん増えることを吉本家は願っている。(文・間宮輝憲)

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