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出場権喪失も自信を持って未来に突き進む河本結「自分が今やるべきことをやるだけ」

第1回リランキングで70位となりツアー出場権を失った河本結は再起を図る(撮影:米山聡明)

<アース・モンダミンカップ 事前情報◇20日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6650 ヤード・パー72>

賞金総額3億円の超ビッグトーナメント「アース・モンダミンカップ」は、22日(木)に開幕する。前週「ニチレイレディス」終了時点で行われたリランキングで70位となりツアー出場権を失った河本結だが、今大会には次点補充で出場権が下りてきた。再起を図る黄金世代の河本が“今”取り組んでいることを話してくれた。

3年ほど前からよりよい成績を求め、スイング改造に着手した河本。しかし、「なかなかしっくりきていない」と話していたように、違和感を持ったままプレーを続けていた。「自分の生命線のショットでグリーンをとらえられなくなり、バーディを獲るゴルフができなくなって、自分のゴルフを見失っている感じ」と振り返る。

意を決した河本は、昨年秋頃から奥嶋誠昭コーチを師事。「今までは体の使い方がうまくいかず、手打ちになっていた」ところを、「体で打てるように」スイングを変えている。今までと違うのは「周りから道しるべを示してもらうだけではなくて、自分がこうしたいと意見を言えるようになったり、ちょっと自立できるようになった」ことだそう。「ちょっとずつスイングにいい感覚が蘇ってきた、ちょっと未来が明るくなったし、頑張ろうって思えている」と河本は自信を持って語る。

年間8試合までの推薦枠を、2回目のリランキングがある「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」までに使うのか、来季のシード権獲得のために準備期間を経て後半戦に挑むのかは「来週試合がないので、そこで考えたい」とのこと。「(スイング改造は)時間がかかるものなので、QTも覚悟している。それまでに仕上げられたらいいな」と、焦る様子はない。

河本に今大会への意気込みについて聞くと、「ポイントを獲得したいといった欲はなくて、自分が今やるべきことをやるだけ。いろいろスイングを試しているというか、変えていて、いい方向にいってるので、それをやりきりたい」と話した。

ツアーへの出場権を失ってしまうと、前を向く気力が削がれることはよくある。河本はそんな状況に陥っても、決して下を向くことはない。明るく笑顔で淡々と、己がやるべきことを挙げる。そんな姿にアスリートとしての力強い気迫がこもっていた。

「こんな落ちている自分に、こんなに大勢の人が拍手をくれて、頑張れって言ってくれて、だから予選落ちになってしまう試合でも、最後の一打まで諦めないゴルフができるし、投げやりにならないでプレーできている。一打でもいい姿を、自分の今の全力をかけたい」と、真っすぐな目で答えた。河本が強みであるショットを取り戻し、応援してくれるファンに恩返しをする日は遠くないはずだ。(文・杉本夏希)

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