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中島啓太は連日の後半オールパーで暫定3位 19年王者の堀川未来夢と酷似したデータ

難コンディションで「70」。中島啓太の巧妙なマネジメントが光った。(撮影:ALBA)

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2日目◇2日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7430ヤード・パー71>

前週は同い年の平田憲聖とプレーオフで激闘を演じた中島啓太は、今週も好調をキープしている。朝から雨が降るコンディションのなか、前半を2バーディ・1ボギーで折り返すと、後半はきわどいパットを決めながらすべてパー。「70」で回りきり、トータル5アンダーは暫定3タイとなっている。

振り返れば、中島は初日も前半の1、2、7、9番でバーディを奪って4つ伸ばし、後半はすべてパーだった。「前半の最初の6番ホールまでにスコアを2つ以上伸ばしておきたいと思っていて、それは達成しました。7番と9番のバーディはおまけだと思いました」とコメントしていた。そして今日も2番と3番を連続バーディとして「6番までにスコアを伸ばすことができたので、いいリズムでできました」と話している。

宍戸の攻略法は1~6番までに伸ばして、7~18番までをいかに耐えるか。それを実践したのが、19年大会チャンピオンの堀川未来夢だ。優勝スコアはトータル15アンダーで、その内訳を見てみると、1〜6番までが15アンダーで、7〜18番までがパープレーなのだ。19年と今年ではラフが短くなった分、距離が長くなっているが、中島のトータル5アンダーの内訳は1〜6番までが4アンダーで、7〜18番までが1アンダー。そのデータは酷似しており、どちらも宍戸ヒルズで勝つためのマネジメントを徹底していると言える。

しかも、今日は一日中かなりの雨が降り続け、突風が吹く難しいコンディション。「濡れたグローブとグリップでティショットを打つのも、かなり神経を使いました。どうしてもラフにたくさんいってしまうので、そこからどこに打ったらパーを拾えるかとか、頭のなかもいっぱいいっぱいで、そのなかで1アンダーで回れたのはうれしいです」。

7番からはピンを狙える状況でも、グリーンの広い方を狙い、いかにパーを獲るかのマネジメントを徹底。それが中島の粘りのゴルフを生み出した。「雨だからってドライバーを振るわけでもなく、しっかりレイアップしたりとかして、パーを獲ればいいと思った。広いほう、広いほうから攻めました。ピンを狙いたいショットもたくさんあったんですけど、そこは我慢して週末にとっておきたいと思います」。

今日は降雨によるコンディション不良のため、午後3時5分に競技が中断。4時5分に天候の回復が見込めないためサスペンデッドとなり、21組60人がホールアウトできなかった。中島はギリギリホールアウトして、「もしかしたら明日プレーしたほうが天気も回復していて、いい条件だったかもしれないですけど、この天候のなかで1アンダーで回れたことはすごく誇りに思う。週末に向けて、しっかり準備できるかなと思います」。プロ初優勝に向けて突き進む。(文・下村耕平)

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